「人生にがっかりしないための16の物語」鴻上尚史著
「人生にがっかりしないための16の物語」鴻上尚史著
自身が20代で読み感動し、さらに20年以上を経て、改めて読み直しても色あせず、「生きる希望」を感じることができた「物語」を紹介する名作ブックエッセー。
有名になりすぎて、今や好きだというにさえためらいを感じる「アルジャーノンに花束を」(ダニエル・キイス 1966年)は、まだ無名だったころ、多くの人にプレゼントした本。そのあらすじをたどりながら、「年を重ねれば重ねるほど、間違いなく、人は人間と人生に絶望します。そして絶望はどんどん深くなります」。けれどもこの物語は、深い絶望を描き、同時に希望を感じさせるからこそ名作なのだと説く。
ほかにも、「百年の孤独」(G・ガルシア=マルケス 1967年)など、人生に寄り添ってくれる16の物語を深読み。 (筑摩書房 968円)