外国人の「日本ブーム」は一巡と専門家 インバウンド需要に陰り…数々のデータではっきり

公開日: 更新日:

 コロナ禍後の回復からこれまで好調が続いていたインバウンド(訪日外国人客)需要が、ここにきて陰りを見せてきた。

 5月の訪日外客数は369万3300人と、前年同月比21.5%の増加。5月として過去最高を記録したが、4月の390万8900人から21万5600人減少しているのだ。

 5月は桜シーズンと夏休みに挟まれ訪日需要は落ち着く時期だが、昨年4月は304万3003人、5月304万294人と5月は前月比2709人の減少にとどまっている。今年の同時期の減少幅は昨年の約80倍に拡大しているのだ。そして、インバウンド需要低下の影響を大きく受けているのが百貨店の売り上げだ。

 日本百貨店協会が発表した5月の全国百貨店売上高は4356億円で、前年同月比7%減と4カ月連続で前年を割り込んだ。特に訪日客の多い免税品の売上高は425億円で、40.8%減と3カ月連続で大幅に減収した。

 百貨店大手4社の6月の売上高は高島屋が前年同月比4%減で、免税売上高は35.9%減少。三越伊勢丹ホールディングスは9.1%減。J.フロントリテイリングは百貨店事業合計で4.6%減、免税売上高31.4%減。エイチ・ツー・オーリテイリングは12%減、免税売上高は約4割減。各社とも免税を除いた店頭売上高は好調を持続しつつ、免税売り上げの大幅な減少が収支を大きく圧迫しているのである。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    アッと驚く自公「連立解消」…突っぱねた高市自民も離脱する斉藤公明も勝算なしの結末

  2. 2

    クマが各地で大暴れ、旅ロケ番組がてんてこ舞い…「ポツンと一軒家」も現場はピリピリ

  3. 3

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  4. 4

    安倍元首相銃撃裁判 審理前から山上徹也被告の判決日が決まっている理由

  5. 5

    ドジャース大谷翔平が直面する米国人の「差別的敵愾心」…米野球専門誌はMVPに選ばず

  1. 6

    マツコ・デラックスがSMAP木村拓哉と顔を合わせた千葉県立犢橋高校とは? かつて牧場だった場所に…

  2. 7

    自民党は戦々恐々…公明党「連立離脱」なら次の衆院選で93人が落選危機

  3. 8

    今オフ日本史上最多5人がメジャー挑戦!阪神才木は“藤川監督が後押し”、西武Wエースにヤクルト村上、巨人岡本まで

  4. 9

    万博協会も大阪府も元請けも「詐欺師」…パビリオン工事費未払い被害者が実名告発

  5. 10

    ドジャース佐々木朗希の抑え起用に太鼓判も…上原浩治氏と橋本清氏が口を揃える「不安要素」