著者のコラム一覧
増田俊也小説家

1965年、愛知県生まれ。小説家。北海道大学中退。中日新聞社時代の2006年「シャトゥーン ヒグマの森」でこのミステリーがすごい!大賞優秀賞を受賞してデビュー。12年「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」で大宅壮一賞と新潮ドキュメント賞をダブル受賞。3月に上梓した「警察官の心臓」(講談社)が発売中。現在、拓殖大学客員教授。

「時代に挑んだ男」加納典明(25)中学2年で初体験、行為を終えて感じたのは腹立ちと嫌悪だった

公開日: 更新日:

 作家・増田俊也氏による新連載スタート。各界レジェンドの生涯を聞きながら一代記を紡ぐ口述クロニクル。第1弾は写真家の加納典明氏です。

  ◇  ◇  ◇

加納「中学2年でセックスの初体験の相手だった最初の女房は小学5年生からの付き合い。中学校も一緒。高校は別の高校にお互い行ったんですけど、その子と23歳の時に結婚した」

増田「小学校5年から付き合って、23まで付き合ったと。若者時代としては長いですね。しかも結婚までされて」

加納「途中、間はあいたけどね。その間にもいろいろやってはいます。あれは高校生だと思うけど、岐阜駅の近くの元町の地主の娘がいて、それが美人ちゃんだったんですよ。椙山*(椙山女学園。名古屋の中高大一貫のお嬢さま学校のひとつ)の子でさ。俺、一宮に親父の原稿を印刷所に届けに行くときに、電車の中でその娘に会って、美人だから『よしついて行ってやろう』ということで、岐阜まで行ったわけ、電車で。特急か急行だから一宮しか止まらないよね。一宮だったら、一緒に降りようと思ってたんだけど、岐阜まで行くから、原稿持ったままその家まで行って、駅降りてとことこついていった。もうこっちを意識してるだろうなと思いつつ。でも、この辺りで家に入っちゃったらどうしようもねえなと思って、最後に声かけたのよ。『あのう』とか言って。それで付き合ったんですよね、その娘と。そん時ね、その彼女が高校1年生かなんかなのに、どういうわけか名刺を持ってたんだよね。あの時代に。名家だったんだろうね、不動産かなんかを持ってて。KTって名前だったけど。今でも忘れない」

※椙山女学園(すぎやまじょがくえん):愛知淑徳、金城学院と並ぶ、名古屋の3大お嬢さま学校のひとつ。中学・高校・大学の一貫校。水泳選手の前畑秀子や歌手の岡村孝子など多彩な人材を出している。

増田「でも5年生から付き合って中学2年で初体験の相手になった後の奥さまにも純愛だったんですよね」

加納「うん。もちろん。でも椙山のその子とも付き合った」

増田「最初の相手だった後の奥さまとのアンビバレンツな付き合いというんでしょうか、セックスに対する憧れと嫌悪の。それは具体的に説明するとどんな感じだったんでしょうか」

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    二階堂ふみと電撃婚したカズレーザーの超個性派言行録…「頑張らない」をモットーに年間200冊を読破

  2. 2

    文春が報じた中居正広「性暴力」の全貌…守秘義務の情報がなぜこうも都合よく漏れるのか?

  3. 3

    福山雅治のフジ「不適切会合」出席が発覚! “男性有力出演者”疑惑浮上もスルーされ続けていたワケ

  4. 4

    福山雅治「フジ不適切会合」参加で掘り起こされた吉高由里子への“完全アウト”なセクハラ発言

  5. 5

    キンプリ永瀬廉が大阪学芸高から日出高校に転校することになった家庭事情 大学は明治学院に進学

  1. 6

    フジテレビ「不適切会合」出席の福山雅治が連発した下ネタとそのルーツ…引退した中居正広氏とは“同根”

  2. 7

    11歳差、バイセクシュアルを公言…二階堂ふみがカズレーザーにベタ惚れした理由

  3. 8

    福山雅治イメージ大暴落…「路上泥酔女性お持ち帰り」発言とファンからの"賽銭おねだり”が時を経て批判集中

  4. 9

    福山雅治がフジ第三者委「有力番組出演者」と認めた衝撃…NHKの仕事にも波及不可避、ファンは早くも「もうダメかも…」

  5. 10

    5億円豪邸も…岡田准一は“マスオさん状態”になる可能性

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    参政党・神谷宗幣代表の「質問主意書」がヤバすぎる! トンデモ陰謀論どっぷり7項目に政府も困惑?

  2. 2

    7代目になってもカネのうまみがない山口組

  3. 3

    福山雅治のフジ「不適切会合」出席が発覚! “男性有力出演者”疑惑浮上もスルーされ続けていたワケ

  4. 4

    松井秀喜氏タジタジ、岡本和真も困惑…長嶋茂雄さん追悼試合のウラで巨人重鎮OBが“異例の要請”

  5. 5

    文春が報じた中居正広「性暴力」の全貌…守秘義務の情報がなぜこうも都合よく漏れるのか?

  1. 6

    フジテレビ「不適切会合」出席の福山雅治が連発した下ネタとそのルーツ…引退した中居正広氏とは“同根”

  2. 7

    打者にとって藤浪晋太郎ほど嫌な投手はいない。本人はもちろん、ベンチがそう割り切れるか

  3. 8

    清原果耶は“格上げ女優”の本領発揮ならず…「初恋DOGs」で浮き彫りになったミスキャスト

  4. 9

    選管議論で総裁選前倒しでも「石破おろし」ならず? 自民党内に漂い始めた“厭戦ムード”の謎解き

  5. 10

    収束不可能な「広陵事件」の大炎上には正直、苛立ちに近い感情さえ覚えます