著者のコラム一覧
増田俊也小説家

1965年、愛知県生まれ。小説家。北海道大学中退。2012年「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」で大宅壮一賞と新潮ドキュメント賞をダブル受賞。他著に「シャトゥーン ヒグマの森」「七帝柔道記」など。現在、拓殖大学客員教授。

「時代と寝た男」加納典明(25)中学2年で初体験、行為を終えて感じたのは腹立ちと嫌悪だった

公開日: 更新日:

 作家・増田俊也氏による新連載スタート。各界レジェンドの生涯を聞きながら一代記を紡ぐ口述クロニクル。第1弾は写真家の加納典明氏です。

  ◇  ◇  ◇

加納「中学2年でセックスの初体験の相手だった最初の女房は小学5年生からの付き合い。中学校も一緒。高校は別の高校にお互い行ったんですけど、その子と23歳の時に結婚した」

増田「小学校5年から付き合って、23まで付き合ったと。若者時代としては長いですね。しかも結婚までされて」

加納「途中、間はあいたけどね。その間にもいろいろやってはいます。あれは高校生だと思うけど、岐阜駅の近くの元町の地主の娘がいて、それが美人ちゃんだったんですよ。椙山*(椙山女学園。名古屋の中高大一貫のお嬢さま学校のひとつ)の子でさ。俺、一宮に親父の原稿を印刷所に届けに行くときに、電車の中でその娘に会って、美人だから『よしついて行ってやろう』ということで、岐阜まで行ったわけ、電車で。特急か急行だから一宮しか止まらないよね。一宮だったら、一緒に降りようと思ってたんだけど、岐阜まで行くから、原稿持ったままその家まで行って、駅降りてとことこついていった。もうこっちを意識してるだろうなと思いつつ。でも、この辺りで家に入っちゃったらどうしようもねえなと思って、最後に声かけたのよ。『あのう』とか言って。それで付き合ったんですよね、その娘と。そん時ね、その彼女が高校1年生かなんかなのに、どういうわけか名刺を持ってたんだよね。あの時代に。名家だったんだろうね、不動産かなんかを持ってて。KTって名前だったけど。今でも忘れない」

※椙山女学園(すぎやまじょがくえん):愛知淑徳、金城学院と並ぶ、名古屋の3大お嬢さま学校のひとつ。中学・高校・大学の一貫校。水泳選手の前畑秀子や歌手の岡村孝子など多彩な人材を出している。

増田「でも5年生から付き合って中学2年で初体験の相手になった後の奥さまにも純愛だったんですよね」

加納「うん。もちろん。でも椙山のその子とも付き合った」

増田「最初の相手だった後の奥さまとのアンビバレンツな付き合いというんでしょうか、セックスに対する憧れと嫌悪の。それは具体的に説明するとどんな感じだったんでしょうか」

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