著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

「幸せ」を強く求める人ほど幸せになれない

公開日: 更新日:

 人は誰しも「幸せになりたい」と思います。しかし、思いすぎるとかえって逆効果であることを示す興味深い研究が存在します。

 デンバー大学のモースらは、個人の幸せを重視する度合いが、どれだけ幸福度やウェルビーイング(心身ともに満たされた状態)に関係しているかを調査(2011年)しています。

 この研究では、デンバー都市圏から募集した成人女性59人を対象とし、幸福を重視する度合い、過去18カ月のライフストレス、感情バランス、主観的ウェルビーイング、心理的ウェルビーイング、抑うつ症状を測定しました。

 その結果、低ストレス条件下においては、幸福を重視するほど幸福度やウェルビーイングが低く、抑うつ症状が高い傾向にあることが分かったそうです。

 また、モースらは、幸せを重視することが幸福感にどのような因果関係をもたらすかについても検証しており、こちらは平均年齢21歳の女性70人を対象に行っています。

 まず、被験者を2つのグループに分け、片方には幸福の重要性を強調する“偽の新聞記事”を読ませることで、意図的に「幸福を重視する」ように仕向けました。そして、もう片方のグループには、フラットな判断がしやすくなるような記事を読ませることで、幸福を過度に意識しないようにしました。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    山崎まさよし、新しい学校のリーダーズ…“公演ドタキャン”が続く背景に「世間の目」の変化

  2. 2

    ドラフト目玉投手・石垣元気はメジャーから好条件オファー届かず…第1希望は「日本ハム経由で米挑戦」

  3. 3

    ソフトバンクに激震!メジャー再挑戦狙うFA有原航平を「巨人が獲得に乗り出す」の怪情報

  4. 4

    米価暴落の兆し…すでに「コメ余り」シフトで今度こそ生産者にトドメ

  5. 5

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  1. 6

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 7

    大富豪の妻と離婚でファン離れ? イケメン既婚者俳優ディーン・フジオカの気になる今後

  3. 8

    自民×維新は連立早々に“成田離婚”も? 政策も理念も、「政治とカネ」に対する意識も、政治姿勢もバラバラ

  4. 9

    山崎まさよし公演ドタキャンで猛批判 それでもまだ“沢田研二の域”には達していない

  5. 10

    首相補佐官に就く遠藤敬氏に世間は「Who?」…維新の国対委員長が連立政権「キーマン」のワケ