英サッカー専門誌の韓国人元編集長に聞く「韓国から見た森保ジャパン」【東アジアE-1選手権連覇】
韓国・龍仁で開催された「東アジアE-1選手権」で森保ジャパンは、3戦目に対戦した韓国を1-0で下して優勝を飾った。決勝戦後、現地で英国の老舗サッカー専門誌「FourFourTwo」韓国語版の元編集長であるホン・ジェミン氏をサッカージャーナリスト・森雅史氏が直撃した。
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ーー決勝戦の結果についてどう感じましたか。
「両国とも大会に向けて準備時間が少ない中、選手個々のパフォーマンスや戦術理解力の差が、そのまま出たと思います。日本の方が上でした」
――韓国が先制していたら違う展開になっていたのかも知れません。
「そうかもしれませんが……システムに対する対応力の差もあったと思います。韓国の選手はほぼ全員が4バックのチームでプレーしています。試合の途中で3バックに変更しようとしてもスムーズに対応できません。ところが日本の選手たちは試合中に3バックを4バックに変えたり、その逆だったり、スムーズに切り替える能力を有しています。決勝戦を見ながら改めてそう感じました」
――後半途中からの韓国のパワープレー勝負を日本は想定していました。
「後半に1点を取らなければならない時、韓国は背の高い選手を前線に投入して、ボールを放り込むサッカーを40年前から変えていません」
――かつて韓国代表には両サイドに足の速い選手がおり、サイドから効果的な崩しを見せて相手ゴールに迫りました。
「欧州でプレーしている韓国人選手ならできると思いますが、今大会のメンバーには見当たりませんでした。なので<サイドで詰まるとリトリートして逆サイドに展開>というワンパターンの攻撃に陥った。もっと局面、局面で前向きにプレーすることを、幼少のころから学ばなければいけないと思います」
――韓国選手のストロングポイントに「気持ちの強さ」がありました。
「その韓国の特長は、相手にリードされた時に発揮されます。そもそも失点しないのが一番なのですから、<負けている時にだけ発揮される>のは問題ありだと思います」