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増田俊也小説家

1965年、愛知県生まれ。小説家。北海道大学中退。中日新聞社時代の2006年「シャトゥーン ヒグマの森」でこのミステリーがすごい!大賞優秀賞を受賞してデビュー。12年「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」で大宅壮一賞と新潮ドキュメント賞をダブル受賞。3月に上梓した「警察官の心臓」(講談社)が発売中。現在、拓殖大学客員教授。

「時代に挑んだ男」加納典明(32)平凡パンチの2人の編集者が過激性、渇仰を引き出してくれた

公開日: 更新日:

根負けして撮ったヌードが売れて…

加納「うん。まだ俺の2世代上の写真家たちが撮ってた時代だ。いかに美しく撮るかという時代だった。ずっと俺は『嫌だ』と言ってたんだよ、椎根和に。『平凡パンチなんて世の中に害毒を流している雑誌じゃん、嫌だよ、俺は撮りたくない』って」

増田「椎名さんはどう仰いました」

加納「いや。加納さん。そんなこと言わないで撮ってくれと。しつこくてね。『頼むよ、頼むよ』って。絶対に引かないの。それで俺は『しょうがないな』って」

増田「典明さんの写真が掲載された号の平凡パンチは売れたんですか」

加納「2本か3本撮ったんだけど、けっこうな数が売れたらしい」

増田「それでニューヨークへ渡る橋が架かったと。1969年です。まだ海外が遠い時代です」

加納「異国も異国。めちゃくちゃ遠い時代。『行かないか』と。それでニューヨークが遠い時代だからね、他のギャラリーや複数のところからも話がきた。それでパンチの仕事を終えてからも少し残って撮ってきた」

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