「時代に挑んだ男」加納典明(32)平凡パンチの2人の編集者が過激性、渇仰を引き出してくれた
増田「草間彌生さんと撮った伝説の写真集『FUCK』とか」
加納「うん。あれも」
増田「行ってくれと言われたときは心躍りましたか」
加納「もちろんだよ。そもそも今のニューヨークとは距離が違う。今でもニューヨークは芸術の発火点だし噴出場所だけど、当時はその何万倍もマグマを噴出してる時期だから。写真だけじゃなくて絵画から音楽から、すべてのトップが鎬をけずって新しい芸術を創り出そうとしていた。アンディ・ウォーホルとかみんないて、ニューヨークで芸術がまさに爆発するとき。そういうのを雑誌とかで興奮して見てたから、そこに行くんだという荒ぶる気持ちがあった」
増田「俺もやるぞと」
加納「トップレベルを目指したかった」
増田「ニューヨークでは草間彌生さんとも撮影で交流して、1969年に帰国します。その草間さん主催の乱交パーティの写真集『FUCK』で典明さんの大ブレイクがあります。帰国してすぐに個展を開いたようですが、どこでやったんですか」