著者のコラム一覧
増田俊也小説家

1965年、愛知県生まれ。小説家。北海道大学中退。中日新聞社時代の2006年「シャトゥーン ヒグマの森」でこのミステリーがすごい!大賞優秀賞を受賞してデビュー。12年「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」で大宅壮一賞と新潮ドキュメント賞をダブル受賞。3月に上梓した「警察官の心臓」(講談社)が発売中。現在、拓殖大学客員教授。

加納典明(27)親父は左翼的思想の強いインテリで、その感性を良くも悪くも僕が...

公開日: 更新日:

 作家・増田俊也氏による新連載スタート。各界レジェンドの生涯を聞きながら一代記を紡ぐ口述クロニクル。第1弾は写真家の加納典明氏です。

  ◇  ◇  ◇

増田「そのお父さまからの影響が後の加納典明をつくるということですね。お父さまは東京芸大*を出ているとお聞きしましたが」

※東京芸術大学(とうきょうげいじゅつだいがく):日本最難関の芸術大学で「芸術界の東大」ともいわれる。しかしその入試倍率は東大以上で、専門にもよるが30倍から50倍ある。画家の東山魁夷、藤田嗣治、岡本太郎など、建築家では吉田五十八、吉村順三など、あらゆる分野で超一流の人材を輩出している。

加納「前身の学校ですね、東京美術学校」

増田「ものすごいインテリですよね」

加納「インテリであったのはたしかだと思います。左翼思想が非常に強い人でした。若いときの時代背景もあったでしょう」

増田「典明さんの兄弟はお父さまの仕事に興味を持たなかったんですか」

加納「兄貴もいたし、弟も、弟と離れてるけど妹たちもいたんだけど、僕1人がそれに興味を持った」

増田「典明さんだけが?」

加納「そう。感性が似ていたんだろうね。名古屋でトップクラスの仕事をしてた人だし、一流どころとの取引も多かった。いろんな仕事してた。例えば着物も笹徳印刷ってのあるんですけど、今でもありますけど、そこの着物の柄の仕事なんかも多かったみたいです。でも俺はそれには興味なかった」

増田「もっと図案要素、デザイン要素が強いものに興味があったと」

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