「時代に挑んだ男」加納典明(32)平凡パンチの2人の編集者が過激性、渇仰を引き出してくれた
作家・増田俊也氏による新連載スタート。各界レジェンドの生涯を聞きながら一代記を紡ぐ口述クロニクル。第1弾は写真家の加納典明氏です。
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加納「そうだね。たしかに俺の年表を作るとしたらそんな感じだね。平凡パンチで仕事するようになって、俺の過激な部分が内側から溢れ出してきた」
増田「過激というのは、つまり先進的あるいは先鋭的という意味ですよね」
加納「まだインターネットもない時代だから情報がなくて、はっきりした解像度では目に見えてない。でも俺には渇仰があったんだよね。こんなんじゃないっていう」
増田「そこに平凡出版の平凡パンチ※との仕事があって」
※平凡パンチ:平凡出版社(現マガジンハウス)が発行していた若い男性向けの週刊誌。1964年創刊、1988年休刊。ファッションを中心に情報発信し、団塊世代の若者文化を牽引して週刊プレイボーイと部数争いで鎬を削った。