ドル箱に押し上げた原点は“ネット”の力
でも、それを映画やスピンオフ、さらには選挙特番のタイトルにまで使うほどのコンテンツに押し上げたその原点は“ネット”の力だ。
今では考えられないほど遅い、電話回線を使った“クンロク”9600bps、エロ画像1枚開くのにペヤングができるまで待たなきゃいけなかった頃のこと。ニフティサーブのドラマフォーラムで、「踊る--」の考察が盛り上がっていた。制作側が仕掛けたディテールを目ざとく見つけては、深夜11時から回線料が少し安くなる“テレホーダイ”を利用してせっせと書き込むファンたち、それを読んでさらに書き込む人たちがそこにいた。
織田裕二もいかりや長さんも深っちゃんもギバちゃんも魅力的だったし、君塚良一さんの脚本や本広克行さんの演出も“見たことない刑事ドラマ”としておたくゴコロを刺激したのは間違いない。でも、おたくたちがネットという発信力を手に入れたタイミングが重なったからこそ、「踊る--」はその後も踊り続けている。
人気者のキャスティングありき型でヒットを連発していたフジドラマの絶頂期に生まれた「踊る大捜査線」。その人気に火をつけた“ネット”の存在を、当時のエライ人がもっと認識していたなら……なんて、いま何を言っても後出しジャンケンですよね。
情報盛り込みすぎて今回は疲れました。Ⅰ did it!
(テレビコラムニスト・亀井徳明)