松岡昌宏のその後を決定づけた“ウラ代表作”

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 Jアイドルとしてかっこよく事件を解決するヒーローではなく、亡くなった兄夫婦の子供を引き取って父親代わりになるという役どころ。80年代のこの枠の代表作「池中玄太80キロ」で西田敏行が演じた“玄太”を思い出させるキャラで、その名も“建太”。大ヒット作へのオマージュのはずだ。そんなこと誰も言ってないけど。

 ドラマは建太と子供たちとのエピソード、ちょっとした恋のバトル、後輩役の鳥羽潤とのからみ、先輩刑事の大仁田厚、上司の古尾谷雅人も含めた刑事としての現場などがバランスよく配置されていた。後半には“所轄”と“本庁”の力関係や、建太の兄夫婦の死に関する闇の部分を描きながら、ヒーローとして敢然と悪に立ち向かう刑事ドラマ要素も入り、明るいだけでなくシリアスな松岡も堪能できる展開に。当時21歳の松岡は、実年齢より少し上の役柄に器用に対応していた。

 たぶん“松岡昌宏の代表作”として挙げる人はほとんどいないと思うが、僕はこのドラマがその後の松岡を決定づけたと勝手に思っている。

 そして今年6月の末、例の“国分問題”での松岡の“男気会見”を見たとき、僕の頭の中にはTOKIOが歌ったこのドラマの主題歌が流れていた。Love&Peace。 (テレビコラムニスト・亀井徳明)

【連載】あの頃、テレビドラマは熱かった

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