藤原紀香が時代が求めた「セクシーでかっこいい女」を体現して見せた初主演ドラマ
「ナオミ」(1999年/フジテレビ系)
ノストラダムスの大予言に恐れおののいていたかつての小学生も、“Y2K問題”や“Amazon”に脅威を感じるような、おっさんの入り口に立っていた1999年。
世紀末だからか知らないけど、99年はこの近辺では珍しく木村拓哉主演の連ドラがない年だった。それでも「ケイゾク」「魔女の条件」(ともにTBS系)や「古畑任三郎3」「氷の世界」(ともにフジテレビ系)など今も語り継がれる名作はあったし、日本テレビとTBSが同時期に“ストーカー”を題材にした作品を放送して話題にもなった。
でも、この年を語るには藤原紀香(54)の初主演ドラマ「ナオミ」(フジテレビ系)は避けて通れない。かつて関西の人気番組「クイズ!紳助くん」のアシスタントとして初めて彼女を見たとき、MCの島田紳助が「中古車センターにフェラーリがおる」と表現した逸材。98年にカネボウ化粧品やJ-PHONE(現ソフトバンク)のCMに起用されてからあっという間の大出世だった。
そんな“ノリカ”が演じたのは前年の大ヒット作「GTO」の女性版とも言える、型破りな教師・藤堂直海。「アタシがいろんなこと教えたげる」というキャッチコピーや、「女なら安い恋はしないことね」などの決めゼリフも、あのビジュアルあっての説得力を持つ。ナイスボディーを強調したミニスカスーツで、時には鉄拳をふるい、時にはお手本と称して校庭の真ん中で男子生徒とキスしたりと、パワフルに“自己流”を貫き通す。時代が求めた「セクシーでかっこいい女」をノリカがそのまま体現して見せたのだった。