トレンドを牽引する「有吉クイズ」の面白さはワンクッション挟んだ多種多様な企画にある
また、スギちゃん、クマムシ、ジョイマンがChatGPTの回答を確認するため一斉にノートPC画面を凝視するシーンも印象深い。これを見た有吉が「国連?」と噴き出していた通り、一世を風靡した彼らはすべからく容姿も個性の塊だった。
AIだけでなく、“ワンクッション挟んだ企画”がバラエティーのトレンドとなっている。例えば前述の「メモドライブ」、タレントのアンケート回答でトークを繰り広げる「紙とさまぁ~ず」(テレビ東京系)は企画の方向性こそ異なるが、“内面を文字に起こす”という手法は同じだ。
一方で、「くりぃむナンタラ」(テレ朝系)の「人間インストール」シリーズ、「チャンスの時間」(ABEMA)の「今こそ井口の本音を代弁してあげたい」といった企画は、見届ける側が仕掛け人にイヤモニターで指示を出したり、想像した心の声を言葉にしたりしてターゲットとなる芸人を追い込んでいく。
つまり、直接的なやりとりではないからこそ、“タレントの本音を覗き見るような面白さ”が増す構造になっている。こうした企画が出てきた背景には、番組制作費の減少と併せて“コンプライアンスの強化”が影響していると思えてならない。


















