『涙の乗車券(ティケット・トゥ・ライド)』ポップとロックとヘビメタとブルースが混在する到達点
アルバム『ヘルプ!』(1965年8月6日発売)⑥
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■『涙の乗車券(ティケット・トゥ・ライド)』
ユニバーサルミュージックのアルバム公式サイトでは、なぜか邦題とカタカナ表記の原題が併記されている。井上陽水の「川沿いリバーサイド」みたい。
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アルバム『ヘルプ!』に入ってから、同じことばかり言っている「ボキャ貧」で申し訳ないが(という死語を使うほどの「ボキャ貧」で申し訳ない)、この曲もまさに「初期ビートルズの総決算」という感じの名曲。
超一流のポップソングでありながら、中をこじ開けてみれば、ハードなロックンロールと、黒人音楽のエッセンスが横たわっているではないか。
「ハード」面でいえば、作者のジョン自身が、この曲を「ヘビーメタル」と表現しているほど。
また、黒人音楽の影響については、メロディーの随所に出てくるブルース特有の音使い「ブルーノート」に表れている。
演奏面も安定の一言。実に安心して聴ける。イントロの12弦ギターによる不思議なリフ(ジョージ)は実に印象的だし、リンゴによる不思議なリズムパターンのドラミングも、「普通のロックンロールにしないぜ」という気概が感じられる。
と不思議に不思議なのに安心して聴かせられるという水準に、すでに4人は達してしまったのだ。
リードギターはポールが担当。この時期あたりから徐々に分かってくるのだ。ギターもピアノも、演奏面ではポールが一番達者だということが。あとドラムスもうまく叩くんだよな。
というわけで、ポップとロックとヘビーメタルとブルースが、ごちゃまぜになった総決算・到達点を、ぜひ楽しんでいただきたい。
さて、最後は雑談。
私の大学生時代は、スキーブームとぶつかっていた。文化系インドア派の私ですら、断りきれず、何度かスキーに連れて行かれ、下手くそなボーゲンで何度も転びまくった。
同世代のビートルズファンに何が言いたいかというと──「みなさん、アレやりましたよね?」。
映画『ヘルプ!』でこの曲が流れるのが、有名な雪の中のスキーシーン。中でも有名なのが、4人が手をつないで、後ろにバタンと倒れるあのシーンである。
やりましたよね? やりましたよね?
パラレルで颯爽と滑り降りる友人を尻目に、文化系ボーゲン野郎が手をつないでバタン。この曲は、そんな私たちにとっての、青春のBGMだったのだ。
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