團十郎と菊五郎(八代目)が昼夜にそれぞれ大役を務める 5月の歌舞伎座は團菊祭

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 夜の部は團十郎が自身の襲名披露以来の「助六由縁江戸桜」。團十郎の助六は、以前よりもヤンチャさが薄まった感じがする。これまでは年上の役者を相手に遠慮なく暴れまわっていたが、年下の役者を率いる立場になっているためか。助六の前にいろんな人が次々と現れるが、なかでも、尾上右近の通人が、粋で楽しい。

 揚巻は菊五郎(八代目)で、昼の部に続いて大役だ。玉三郎を別格とすれば、團十郎の相手役がつとまるのは、菊五郎しかいない。團十郎・菊五郎が組むのが、大きな襲名と團菊祭くらいなのは残念だが、年に一回だからいいのかもしれない。

 意休は男女蔵で、父・左團次に、声だけはよく似てきた。同じことは「菊畑」で鬼一法眼をつとめた坂東彦三郎にも言える。2人とも、いかにも作った感じの老け役で重量感はないが、声がよく通るのは気持ちがいい。

 七代目菊五郎、中村梅玉といった團十郎・菊五郎の父親世代も健在。客の入りもよく、劇場全体が爽快感に満ちていた。

 (作家・中川右介)

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