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二田一比古ジャーナリスト

福岡県出身。大学卒業後、「微笑」(祥伝社)の記者に。その後、「Emma」「週刊文春」(ともに文芸春秋)をはじめ、多くの週刊誌、スポーツ新聞で芸能分野を中心に幅広く取材、執筆を続ける。フリー転身後はコメンテーターとしても活躍。

昭和時代「新宿2丁目」はディープスポットだった

公開日: 更新日:

 ルポの仕事も何度か経験した。事件現場のようにかっこいいものではない。初めてのルポは新宿2丁目だった。

 今でこそ、男女・趣味嗜好関係なく誰もが気軽に出入りできるナイトスポットとして人気のエリアだが、私が出入りした昭和の頃はディープな男の街だった。深夜から朝方まで夜な夜な正体不明の男たちが集まる「ゲイタウン」と呼ばれていた。

 親交のあった女優専科の芸能プロ社長から「通の女優は銀座や六本木で遊ばない。2丁目は女性を会話だけで喜ばせるゲイもいる。マスコミもいないし安心して飲める」と言われ、興味を持ち出しかけたのがきっかけだった。当時のルポの一部をひもとく。

 初めて足を踏み入れる2丁目。行き交うのは男と男。女装もいれば男の服に化粧もいる。どことなくネオンも怪しげに見えてくる。この一角だけ別世界のようだった。

 社長に連れられ最初に入った店には普通にスーツを着ている男性がいた。その後行った店では、女装している人もいた。共通していたのは、俗に「オネエ言葉」と呼ばれる女口調の話し方。こちらは、どんな芸能人がどんなふうに遊んでいるかを聞き出すことが目的だった。

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