中森明夫「寺山修司を語るな! 寺山修司を生きろ!」

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老・寺山がアイドルをプロデュースしたら…

 さて、寺山が存命なら、87歳である。同い年に美輪明宏、小山明子、倉本聰、1歳下に北島三郎らがいる。令和5年に現役で活躍していて、何らおかしくはない。

 もし、寺山修司が、今、生きていたら……アイドルグループをプロデュースしていたんじゃないか? その名も「TRY48」だ! そんなぶっ飛んだ小説を、ずっと私は書いていた。老舗文芸誌「新潮」で連載を続け、完結。2月1日に新潮社から単行本を出版する。これは没後40年のこの年に「寺山修司を復活させる」、私なりの(想像力の)大冒険なのだ。

 実は、寺山修司は亡くなってから、よりその存在が大きくなり、ますます神格化されている。けれど、彼をアリガチな昭和のレジェンド伝説に封じ込め、神棚にまつり上げてはいけない。何より、寺山自身が喜ばないだろう。「オレは、そんな男じゃないよ!」、と。

 そこで、私の小説「TRY48」の中の寺山修司は、野坂昭如と大島渚の殴り合いに割って入り、オウム真理教の麻原彰晃と対決して、「デスノート」のLの葬式を開き……そうして令和のこの今、アイドル少女たちと共闘する。

 スマホを捨てよ、町へ出よう! 閉塞しきったこのニッポン社会に一大変革をもたらすため、挑戦する。ぜひ、ご一読を。

 寺山修司は生きている。そう信じて、本紙を手に競馬場へ出かけてみよう。

 ポンと肩を叩かれ振り向くと、ぎょろっとした目の老人が。「よお、日刊ゲンダイは今も戦ってるかい? 俺もまだまだ戦ってるよ」。87歳の老・寺山が微笑んであなたに言う。

 寺山修司を語るな! 寺山修司を生きろ!!

▽中森明夫(なかもり・あきお)1980年代に新人類の旗手と呼ばれる。「おたく」の命名者でもある。著書に「アイドルにっぽん」「午前32時の能年玲奈」「アナーキー・イン・ザ・JP」など。2月1日に新作小説「TRY48」(新潮社)を上梓。

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