著者のコラム一覧
坂本昌也国際医療福祉大学 医学部教授 国際医療福祉大学 内科部長・地域連携部長

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

高血圧の薬 あなたに合ったものが適切に処方されていますか

公開日: 更新日:

「高血圧の薬の種類によっては糖尿病のリスクを上げたり下げたりするとのことですが、カミサンが飲んでいる薬は大丈夫でしょうか」

 患者さんから、質問がありました。その方の奥さんは高血圧で、高血圧の薬(ACE「エース」阻害薬と利尿薬)を飲んでいるそうです。

 その方がネットで見たのは、英オックスフォード大学の研究者らが、世界的に権威のある医学雑誌ランセットに発表した内容です。

 それによると、研究者らは「BPLTTC」のデータセットから、一定の条件を満たすランダム化比較試験19件(約14万6000例)を選択し、メタ解析で主要な降圧薬5種類による2型糖尿病の予防効果を検証しました。

 BPLTTCとは、オックスフォード大学に拠点を置く委員会によって設立された組織で、高血圧治療薬の心血管合併症予防に関する大規模臨床試験のメタ解析を行っています。メタ解析とは、複数の研究結果を統合し、より信頼性の高い結果を求める統計解析手法のことです。

 解析の結果、高血圧の治療薬であるACE阻害薬とARBが2型糖尿病の新規発症リスクを低下させ、β遮断薬とサイアザイド系利尿薬がリスクを上昇、カルシウム拮抗薬はリスクへの影響が見られなかったとのこと。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  2. 2

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  3. 3

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  4. 4

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  5. 5

    (5)「名古屋-品川」開通は2040年代半ば…「大阪延伸」は今世紀絶望

  1. 6

    「好感度ギャップ」がアダとなった永野芽郁、国分太一、チョコプラ松尾…“いい人”ほど何かを起こした時は激しく燃え上がる

  2. 7

    衆院定数削減の効果はせいぜい50億円…「そんなことより」自民党の内部留保210億円の衝撃!

  3. 8

    『サン!シャイン』終了は佐々木恭子アナにも責任が…フジ騒動で株を上げた大ベテランが“不評”のワケ

  4. 9

    ウエルシアとツルハが経営統合…親会社イオンの狙いは“グローバルドラッグチェーン”の実現か?

  5. 10

    今井達也の希望をクリアするメジャー5球団の名前は…大谷ドジャースは真っ先に“対象外"