ユニバーサル ミュージック社長兼CEO藤倉尚さん 存続の危機を救った「インビクタス 負けざる者たち」
藤倉尚さん(51)は2014年1月に社長に就任して以来、増収増益を続ける。現在はback number、RADWIMPS、そして米国ビルボードチャート1位を獲得したBTS(防弾少年団)といった人気アーティストを多数抱え、昨年には、音楽業界では珍しく、約330人の契約社員を正社員化し話題に。そんな“改革派”の社長だが、どんな本に親しんできたのか。
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本を読み始めたのは、30代前半のころ。1992年にポリドール(現ユニバーサル ミュージック合同会社)に入社し、がむしゃらに働いていた藤倉さんに、元同社社長で日本レコード協会会長の石坂敬一さん(故人)が声を掛けたという。
■1カ月20冊の“宿題”
「ある時、『見栄えや仕事ぶりはいいけどもっと教養を付けなければダメだ。読書を始めなさい』と、1カ月20冊の“宿題”を出されて、数年間続けました。ザ・ビートルズを日本に広めた偉大な先輩に言われたら、やるしかありません。この時に手に取った稲盛和夫さん、松下幸之助さんの本からは、稼ぐこと以上に“人に何かを与えることの大切さ”を学びましたね」