安倍前首相の大嘘 福島原発“アンダーコントロール”の惨状

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 年が明ければ国民は忘れるなんて考えは大間違い。

 桜を見る会の前夜祭を巡り、虚偽答弁118回の安倍前首相の“虚言癖”は病的レベル。とりわけ印象深いのは東京五輪招致のため、福島原発事故の影響について世界を欺いた「アンダーコントロール」の大嘘である。

 今年3月には未曽有の事故から10年の節目を迎えるが、廃炉作業はもはや「コントロール不能」。喫緊の課題である汚染処理水の海洋放出問題も時間切れだ。

 放出の方針を固めている政府と東電は、昨年4月から全国漁業協同組合連合会など「関係者のご意見を伺う場」を開催してきたが、10月の第7回を最後に中断。「放出は時期尚早」と風評被害を懸念する自民党農水族の反発もあり、いまだ正式決定に至っていない。

「原発敷地内の貯水タンクは来年秋ごろには満杯に。海洋放出に必要な施設整備は2年ほどかかり、タイムリミットはとうに過ぎています。追い打ちをかけるのが新型コロナ禍。今年中に予定していた燃料デブリの試験的取り出しも、渡航制限の影響で英国製装置の輸送のメドが立たず1年程度遅れる見通し。同じことは汚染処理水の施設整備にも当てはまりかねません」(東電関係者)

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