「あいつは俺が育てた」と吹聴するコーチのろくでもない習性…逆に潰しているケースが圧倒的に多い

阪神から移籍したロッテの選手時代、強く意識したのが、新たな仲間とコミュニケーションを取ることである。
ロッテに拾ってもらった身。チームのために、これまではやらなかったことをやろうと心に決めていた。阪神時代の経験などを若手に伝えたいと思った。一、二軍を問わず、若手を中心に食事に誘い、とことん野球の話をするようにした。
昭和の時代、選手同士で飲みに行けば、先輩が後輩に「おまえはああせえ、こうせえ」と一方的に話をして終わりだった。今の選手にこれはNG。若手に話をさせ、聞いてあげることが重要だ。すると、何も考えていないと思っていた選手が、実はこんなに考えているんや! と驚かされることが多かった。コミュニケーションとは話を聞くこと。これはコーチになってからの選手との関わり方に生きている。
阪神時代、僕は「個人主義者」だった。球団納会の際、1次会が終わった瞬間にそそくさと帰宅したら、「戻ってこい!」と先輩の金本知憲さんに怒られたことは以前書いた通り。そんな僕が、後輩たちと野球の話をしたり、相談に乗ってあげることが大切だと思うようになったのだから、変わるものである。
ロッテでの3年間は大した活躍ができなかったのが心残りだが、3年目に選手兼任コーチに任命されたのも少なからず若手と対話をしてきたことが球団に認められたからかもしれない。
ただ、「兼任コーチ」になったロッテ3年目の現役最終年から「飲みにケーション」はキッパリやめた。中には監督やコーチになっても、現役時代のまま、仲のいい選手と飲みに行くタイプの指導者もいる。「良き兄貴分なのは変わらない」ということなのだろうが、大抵ろくなことにならない。
もし遠征先でそのコーチがある投手と飲みに行ったとする。チーム内で
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