「あいつは俺が育てた」と吹聴するコーチのろくでもない習性…逆に潰しているケースが圧倒的に多い
阪神から移籍したロッテの選手時代、強く意識したのが、新たな仲間とコミュニケーションを取ることである。
ロッテに拾ってもらった身。チームのために、これまではやらなかったことをやろうと心に決めていた。阪神時代の経験などを若手に伝えたいと思った。一、二軍を問わず、若手を中心に食事に誘い、とことん野球の話をするようにした。
昭和の時代、選手同士で飲みに行けば、先輩が後輩に「おまえはああせえ、こうせえ」と一方的に話をして終わりだった。今の選手にこれはNG。若手に話をさせ、聞いてあげることが重要だ。すると、何も考えていないと思っていた選手が、実はこんなに考えているんや! と驚かされることが多かった。コミュニケーションとは話を聞くこと。これはコーチになってからの選手との関わり方に生きている。
阪神時代、僕は「個人主義者」だった。球団納会の際、1次会が終わった瞬間にそそくさと帰宅したら、「戻ってこい!」と先輩の金本知憲さんに怒られたことは以前書いた通り。そんな僕が、後輩たちと野球の話をしたり、相談に乗ってあげることが大切だと思うようになったのだから、変わるものである。