菅首相はどれほどの国民が命落とせば五輪中止を考えるのか

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長崎県民主医療機関連合会も声明を発表

 連日、新聞、テレビが報じているコロナ関連の悲惨なニュース。身近に感染者や医療従事者がいない人にとっては、増え続ける重症者や1万1000人超もの死者の数もピンとこなくなってしまったかもしれない。

 しかし、感染対策の先頭に立つ菅義偉首相も同じではシャレにならない。

 14日には、長崎県内の病院や診療所でつくる長崎県民主医療機関連合会が、コロナ禍における医療提供体制を守るため、東京五輪・パラリンピックの中止を求める声明を発表。その前日には、全国の勤務医でつくる労働組合「全国医師ユニオン」も同大会の中止を訴え、国に要請書を提出。代表の植山直人医師は会見で「選手にはつらい話だが」と言いつつ、「感染リスクを顧みずに五輪を開催すれば、地域医療が崩壊しかねない」と訴えた。

 強行開催に突き進む菅首相のコロナ対策は今も後手後手。頼みのワクチン接種も大幅に遅れているのに、組織委員会はアップアップの医療関係者たちに、「五輪のために人を出せ」と尻を叩く。「むちゃくちゃ言うのもいい加減にしてくれ!」と、現場から怒声が上がるのは当然だ。

「IOCバッハ会長と中止について相談するき」

 厚労省のホームページによれば、国内での新型コロナウイルス感染症の死亡者は、17日現在、1万1508人となっている。コロナ禍で心が病んだり、生活困窮で自殺した人は含まれていない。実際のコロナ関連死者数は1万5000人を超えているのではないか。スポーツ愛好家の菅野宏三氏(ビジネス評論家)があきれ顔でこう語る。

「16日から緊急事態宣言の対象地域が9都道府県に拡大された。大阪はすでに医療崩壊している。本来なら救える命を救えず、つらい思いをしている看護師たちの心身は限界にきている。菅首相はその現状を本当に知っているのか。知ろうとしているのか。『国民の命や健康を守り、安全・安心の大会を実現することは可能だ』と言うが、毎日増え続ける死者の数を見れば、すでに国民の命も健康も守っているとはいえません。安全・安心、国民の命を守るという言葉が軽々しく聞こえます」

 さらに菅野氏は言う。

「これほどひどい感染状況の中でも、五輪を開催するための条件は一切説明していない。『五輪の中止を決めるのは国際オリンピック委員会(IOC)だけ。開催都市の東京都が中止を言い出せば、損害賠償の問題が出てくる』という話もあるが、これ以上、国民がコロナで命を落とすことを菅首相はどう思っているのか。開幕まで約2カ月しかない。遅きに失したとはいえ、IOCのバッハ会長と中止について相談するべきです。五輪が原因で感染が広がれば、さらなる医療崩壊だけでなく、倒産件数の増加、五輪と国民感情の乖離などを引き起こします」

 菅首相にとって1万人超の死者は「さざ波」程度の数なのか……。

東京五輪ボランティア辞退が相次ぐ

 新型コロナウイルスが猛威を振るう中、東京五輪ボランティアの辞退が相次いでいる。

 競技会場や選手村の運営などをサポートするボランティア「フィールドキャスト」を辞退した仙台市の女性(25)は「ワクチン接種ができていない中で活動するのが不安」と話す。「感染者が減らないのに開催を強行しようとしている」と、政府や大会組織委員会に不信感が募ったことも辞退理由に挙げた。

 組織委は当初、フィールドキャストを約8万人確保。森喜朗前会長の失言が問題化した今年2月に約1000人が辞退したと説明したが、現在までの辞退者の総数は明らかにしていない。

 看護師らの確保はさらにハードルが高い。新型コロナ患者を受け入れる「立川相互病院」(東京都立川市)は病院の窓に「医療は限界」「オリンピックむり」などと掲示した。

 産業能率大の中川直樹教授(スポーツマネジメント)は「メガイベントでのボランティアは細かい作業を担うが、欠けるとシナリオ通りに進行できなくなる可能性がある」と指摘している。

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