著者のコラム一覧
藤倉善郎ジャーナリスト

1974年、東京都生まれ。カルト問題を20年以上にわたり取材。2009年にニュースサイト「やや日刊カルト新聞」を創刊し、総裁就任。著書に「『カルト宗教』取材したらこうだった」など。「徹底検証 日本の右傾化」(塚田穂高編著)、「だから知ってほしい『宗教2世』問題」などの共著も多数。

「パナウェーブ研究所」は大学助教授の死亡で5人逮捕…19年前に白装束で世間を騒がす

公開日: 更新日:

 2003年に岐阜県八幡町(現・郡上市)の林道を占拠したり自動車十数台を連ねて全国を移動して連日ワイドショーに追い回された「パナウェーブ研究所」。信者たちが白衣と白マスクで身を包み、団体のクルマが白布で覆われていたことから「白装束騒動」とも呼ばれた。

 パナウェーブ研究所は、千乃裕子を会長とする宗教団体「千乃正法会」の一部門。騒動の最中、千乃は「ニビル星」なる天体が地球に接近し天変地異で人類が滅亡すると予言して騒ぎ立てたが、予言は外れた。千乃は最終的に、金星人がニビル星に水素爆弾を打ち込んで粉々にしたため、地球の危機が回避されたと説明した。この騒ぎの直後、白装束の一行は福井県五太子町にある自分たちの施設に落ち着いた。

 ところが同年夏、パナウェーブ研究所のメンバーだった大学助教授が施設内で変死。司法解剖の結果、死因は熱中症と外傷性ショックの複合的要因の可能性があるとされ、県警は助教授を竹刀などで暴行したとして、メンバー5人を逮捕した。

 パナウェーブ研究所は、電磁波は人体に有害であると考え、車両に滞留している電磁波を地面に流して除去する「アースチェック」なる行為を行っていた。死亡した助教授は千乃が乗る車両のアースチェックに失敗したとして、メンバーから棒や竹刀で背中を殴打されていた。後に5人はそれぞれ罰金20万円の略式命令を受けている。

■関連キーワード

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  2. 2

    長嶋一茂は“バカ息子落書き騒動”を自虐ネタに解禁も…江角マキコはいま何を? 第一線復帰は?

  3. 3

    トリプル安で評価一変「サナエノリスク」に…為替への口先介入も一時しのぎ、“日本売り”は止まらない

  4. 4

    "お騒がせ元女優"江角マキコさんが長女とTikTokに登場 20歳のタイミングは芸能界デビューの布石か

  5. 5

    【独自】江角マキコが名門校との"ドロ沼訴訟"に勝訴していた!「『江角は悪』の印象操作を感じた」と本人激白

  1. 6

    今田美桜に襲い掛かった「3億円トラブル」報道で“CM女王”消滅…女優業へのダメージも避けられず

  2. 7

    実は失言じゃなかった? 「おじいさんにトドメ」発言のtimelesz篠塚大輝に集まった意外な賛辞

  3. 8

    99年シーズン途中で極度の不振…典型的ゴマすりコーチとの闘争

  4. 9

    27年度前期朝ドラ「巡るスワン」ヒロインに森田望智 役作りで腋毛を生やし…体当たりの演技の評判と恋の噂

  5. 10

    今田美桜が"あんぱん疲れ"で目黒蓮の二の舞いになる懸念…超過酷な朝ドラヒロインのスケジュール