バッジ見せて交通違反の“見逃し強要”…米国の警察本部長自ら職権乱用を認めて辞職
米国である警察本部長の辞職に注目が集まっている。
フロリダ州タンパ郊外のオールドスマーで11月12日夜、所轄のピネラス郡保安官事務所の保安官代理が、ライセンスプレートのないゴルフカートが公道を走っているのを発見。もちろん交通違反で、道路脇に停車させた。
車内には中年の夫婦。助手席の女性はなんとタンパ市警のメアリー・オコナー本部長(写真2)、そして運転していたのは彼女の夫だった。オコナー本部長は自分のバッジを見せて保安官代理にこう言った。
「タンパ市警の本部長です。今夜はこのまま行かせてくれないかしら」
さらに名刺を渡し、将来、何らの便宜を図ることを示唆するように「何かあったら、連絡をちょうだい。本気ですからね」と付け加えた。
保安官代理は、口頭で注意しただけで違反切符を切ることなく2人を放免した……。
自らの行動を振り返り、辞表を提出
しかし、オコナー本部長はそれからしばらく自分の行動を自問自答していたようだ。約3週間後の11月30日、オコナー本部長はタンパのジェーン・キャスター市長に自分の行動をすべて告白。権限を乱用して交通違反を免れたことを明らかにし、謝罪した。
オコナー本部長らを見逃した保安官代理は、ボディー装着カメラを作動させており、オコナー本部長とのやり取りは完全に記録されていた。タンパ市警は日本時間12月2日、公式ユーチューブにその動画を公開。写真1はそのひとコマだ。
オコナーはその前日の1日に辞表を提出し、キャスター市長は5日、それを受理したと発表した。米国の警察は“自浄能力”が高いなあ……。