参院選の争点から「マイナ保険証」置き去り…“期限切れ”問題に政府の弥縫策いつまで
3日に公示された参院選(20日投開票)の争点は物価高対策をはじめ数あれど、重要な問題が置き去りにされてはいないか。今年12月に完全廃止を迎える健康保険証のことだ。
福岡厚労相は1日の閣議後会見で、国民健康保険の従来の保険証に関し、有効期限が切れていても資格確認ができれば来年3月末まで保険診療を受けられると発表。8月1日から順次、国保の保険証が失効するため、期限切れだと気づかないまま受診するケースなどを想定した。あくまでも混乱回避のための暫定措置だ。
現行の保険証の代わりとなる「資格確認書」やマイナ保険証を持っていなくても、引き続き受診は可能。要するに、国保加入者は来年3月まで従来通り健康保険証が使えるワケだが、しょせんは弥縫策に過ぎない。
マイナカードの更新は10年に1回、マイナ保険証としての利用などに必要な電子証明書の更新は5年に1回。今年度は2800万人もの人が、カードそのものや電子証明書の期限を迎える。来年度は計2020万人、再来年度は計2810万人に上る見通しだ。「期限切れ」に気付かない人が大量発生するのは想像に難くない。健康保険証の存続を訴える全国保険医団体連合会事務局次長の本並省吾氏が言う。