信用できない北陸電力の「問題ない」…よぎる25年前、志賀原発の重大事故隠蔽工作

公開日: 更新日:

 能登半島地震が直撃した北陸電力志賀原発(石川県志賀町=停止中)は連日、不具合が発表されている。▽使用済み燃料プールの水が大量にこぼれる▽冷却ポンプが一時停止▽変圧器破損による大量の油漏れ……と枚挙にいとまがない。

 北陸電力は1、2号機とも定期検査により停止中であることを強調。原発の全域を見回って点検した結果、「安全上問題はない」と5日公表している。7日には、原発に接する海面で大きな油膜が発見されたが、「環境や人体に影響はない」とすかさず説明した。

 NPO法人「原子力資料情報室」事務局長の松久保肇氏が言う。

「原発は部品件数がものすごく多く、ざっと見回った目視の点検で見つけられていない不具合が潜んでいてもおかしくありません。今後も地震は続くとみられています。原発内の施設が大きく揺れることも想定され、予断を許さない状況です」

■油漏れを大幅修正

 北陸電力の説明には首をかしげたくなるものもある。変圧器から漏洩した絶縁油について、当初は3500リットルとしていたが、後に1万9800リットルと訂正。当初の5倍超とは、大幅過ぎる訂正だ。

 放射線量を測定する原発内のモニタリングポストの数値に変化がないとして、「外部への放射能の影響はない」とするが、原発周辺のモニタリングポストは、15カ所で測定できなくなっている。原発内のモニタリングポストは正常なのかと勘ぐってしまう。

■関連キーワード

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  2. 2

    大谷 28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」とは?

  3. 3

    学力偏差値とは別? 東京理科大が「MARCH」ではなく「早慶上智」グループに括られるワケ

  4. 4

    ドジャース大谷の投手復帰またまた先送り…ローテ右腕がIL入り、いよいよ打線から外せなくなった

  5. 5

    よく聞かれる「中学野球は硬式と軟式のどちらがいい?」に僕の見解は…

  1. 6

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  2. 7

    進次郎農相の「500%」発言で抗議殺到、ついに声明文…“元凶”にされたコメ卸「木徳神糧」の困惑

  3. 8

    長嶋茂雄さんが立大時代の一茂氏にブチ切れた珍エピソード「なんだこれは。学生の分際で」

  4. 9

    (3)アニマル長嶋のホームスチール事件が広岡達朗「バッドぶん投げ&職務放棄」を引き起こした

  5. 10

    米スーパータワマンの構造的欠陥で新たな訴訟…開発グループ株20%を持つ三井物産が受ける余波