著者のコラム一覧
姫田小夏ジャーナリスト

中国・アジアを身近に捉える取材に取り組む。中国ウオッチは25年超、中国滞在経験も長い。アジア・ビズ・フォーラム主宰。日刊ゲンダイでの連載などをもとに「ポストコロナと中国の世界観 」(集広舎)。

医療からも家族からも見放された中国農村部の老人たち…自分で墓を掘る者も

公開日: 更新日:

「私の隣村で2人の老人が自殺した。1人は首を吊り、1人は川に身を投げた」──。先月末、こんな一文が中国のSNSに投稿された。日本では介護疲れを理由に配偶者を殺めてしまうなどのニュースを聞くことはあっても、自殺というのはあまり聞かない。しかし、中国では農村の老人が自死するケースが増えている。

 過去にはこんなケースもあった。老親の重体を知った都市生活者の息子が、仕事を休んで実家の農村に駆け付けた。だが、数日経っても息を引き取らない。

 葬儀を出すつもりで帰省した息子が業を煮やして「まだ死なないのか」と話しかけると、老親はカッときたのか、農薬瓶を取り出して服毒自殺を図った。

 自分で自分の墓を掘る老人もいる。湖南省の79歳の老人は、自分ががんになったことを知り、人に頼んで掘らせた墓に自ら潜り込んだ。死に装束まで着て、土中で手首を切って自殺を図ろうとした老人だったが、すんでのところで村人たちに引っ張り上げられた。家族への迷惑を懸念して自殺に及んだのではないかといわれている。中国でがん治療など難病は、高額な医療費がかかるためだ。

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