NHK大河ドラマ『べらぼう』で再注目! 千束・吉原を歩く…250年を超えて残る遊郭街の「陰と陽」

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 最後にグルメをご紹介しよう。創業117年の歴史を誇る「桜なべ 中江」では色街を舌で堪能できる。肉食文化が広まりつつあった明治時代、遊郭遊びをしたくてもお金がなかった客が自分の乗っていた馬を売り飛ばした。その馬が料理屋に巡り届き、遊客の滋養強壮に効くとしてご当地名物に。「馬力をつける」という言葉の語源になったともいわれている。味付けは一子相伝で受け継がれた「味噌だれ」と「割り下」のダブルベース。しゃぶしゃぶの要領でさっと火を通せば、桜肉の甘味が口内に咲き誇る。

「少し昔は男性客ばかりで、店の玄関まで黒服の人が迎えに来てたんですよ。今では、女性だけで来られる方も少なくありません。女性は本当に強くなりましたよ(笑)」(4代目店主・中江白志さん)

「繁盛、繁盛、嗚呼御江戸」。平賀源内が蔦重のデビュー作「吉原細見」の序文に寄せたこの言葉は、今も吉原に息づいている。 

(取材・文=橋爪健太/日刊ゲンダイ

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