個人情報ダダ漏れの実態…特殊詐欺グループが高齢者を狙い還付金詐欺などに悪用
「健康不安を生じる高齢者の名簿が欲しい」
特殊詐欺グループからこう注文を受けた名簿業者は、健康に気を使っていそうな60~80代のカテゴリーに分類された高齢者の名簿を36回にわたって犯罪組織に提供していた。
15府県に住む高齢者の個人情報が記載された名簿を特殊詐欺グループに販売したとして、大阪府警特殊詐欺捜査課は12日までに「ビジネスプランニング」(東京都中野区)代表の山崎勝美容疑者(75)を電子計算機使用詐欺幇助などの疑いで逮捕した。
ビジネスプランニングは「元祖名簿屋ドットコム」のサイトを運営していて、この特殊詐欺グループは顧客のひとつだった。昨年11月、山崎容疑者は1万4800人分の名簿を同グループに17万7600円で販売。山崎容疑者の会社の口座には昨年10月から今年4月にかけ、同組織から約300万円の入金があり、計50万人超の個人情報が流出したとみられている。
「府警は昨年11月、自治体や年金機構の職員をかたり、還付金詐欺を行っていた出し子2人を逮捕した。出し子は特殊詐欺組織側の指示で同月7日、名簿代金17万7600円を前払いで入金。翌8日、データプランニングから送られてきたリストの中に、介護保険料の還付金名目で約250万円をだまし取られた広島県在住の60代女性の名前があった。名簿に記載されていた高齢者8人が800万円の詐欺被害に遭っていた」(捜査事情通)