看取りの時間をきちんと説明するのも獣医師の仕事

公開日: 更新日:

「カーター先生からは『年齢から何もしない選択肢もあり』との説明をいただきましたが、あきらめきれずに転院して手術をしてもらいました。転院先ではできる限りのことをしてくれましたが、カーター先生のようなこと(お花)はしてくれませんでした」

■治療を続けるのも緩和治療にとどめるのも…

 終末期や重症になり、どこまで治療し、飼い主さんとペットとのお別れの時間を設けることは、われわれ獣医師にとって大切な仕事のひとつだと思います。適切なタイミングで治療の説明はしますが、最終的に決断するのは飼い主さんで、われわれが価値観を強制することはできません。あきらめずに治療を続けるのも、頃合いをみて緩和治療にとどめるのも、飼い主さんがその子にしてあげたいと思ったことなら、どちらも正解です。

 しかし、看取りができるタイミングを説明せずに、飼い主さんを治療に走らせようとするのはどうでしょうか。2番目の電話の飼い主さんは、看取りができなかったことを悔やんでおられましたから。


 この連載は今回で終了します。2年半近くにわたってご愛読くださり、ありがとうございました。もしこの連載の内容に共感された方が少しでもいればうれしい限りです。連載は終わりますが、病院は今後も東京・三軒茶屋で営業していますから、ワンちゃんやネコちゃんのことで心配なことがあればぜひ受診してください。 =おわり

 (カーター動物病院・片岡重明院長)

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本ハムが新庄監督の権限剥奪 フロント主導に逆戻りで有原航平・西川遥輝の獲得にも沈黙中

  2. 2

    白鵬のつくづくトホホな短慮ぶり 相撲協会は本気で「宮城野部屋再興」を考えていた 

  3. 3

    DeNA三浦監督まさかの退団劇の舞台裏 フロントの現場介入にウンザリ、「よく5年も我慢」の声

  4. 4

    藤川阪神の日本シリーズ敗戦の内幕 「こんなチームでは勝てませんよ!」会議室で怒声が響いた

  5. 5

    佳子さま“ギリシャフィーバー”束の間「婚約内定近し」の噂…スクープ合戦の火ブタが切られた

  1. 6

    半世紀前のこの国で夢のような音楽が本当につくられていた

  2. 7

    生田絵梨花は中学校まで文京区の公立で学び、東京音大付属に進学 高3で乃木坂46を一時活動休止の背景

  3. 8

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  4. 9

    田原俊彦「姉妹は塾なし」…苦しい家計を母が支えて山梨県立甲府工業高校土木科を無事卒業

  5. 10

    プロスカウトも把握 高校球界で横行するサイン盗みの実情