米価暴落の兆し…すでに「コメ余り」シフトで今度こそ生産者にトドメ
高値水準が続くコメの値段に、ようやく下落ムードが漂ってきた。
農水省は17日、全国のスーパーで今月6~12日に販売されたコメ5キロあたりの平均価格(税込み)は、4142円と発表。前週よりも63円安く、これで4週連続の下落だ。同日の会見で小泉進次郎農相も「(米価は)上げトレンドというよりも、むしろ下げトレンド」と話した。
進次郎が自信ありげに語る背景には、今年度産米の大幅な増産予測がある。農水省によると、2025年産主食用米の予想収穫量は、前年比1割増の747万7000トンとなる見込み。予想需要量を、最大50万トンも上回ることになる。来年6月末時点の民間在庫量も198万~229万トンと、今年6月末の157万トンから大幅に増える予測だ。相変わらず新米価格の高騰が続く一方で、農水省内では「いつかは下落する」との見方が強まっている。
ただ、これほどの増産予想が出れば、懸念されるのは「コメ余り」だ。今年は備蓄米放出による供給増もあった。最終的な備蓄米の流通量は約60万トン、国内の年間消費量の1割相当に上る見通しだ。大手コメ卸売関係者は「ウチもすでにコメが余るという予測にシフトしつつある」と話す。