「神経締め」基本の5つ徹底チェック 魚の伝道師・上田勝彦氏が実況中継
魚を釣ったら、調理して食べるまでがひとくくり。鮮度をキープしたまま持ち帰るには、釣った後の処理が重要だ。元水産官僚で、「魚の伝道師」として活動する上田勝彦さんに釣った後の処理の仕方と調理の基本を教えてもらった。まずは後処理のツボを紹介する。
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「東京湾は一年を通してアジが釣れ、特に湾の入り口は潮の流れがよく、身が引き締まっておいしい。アジを釣りながら解説しましょう」
上田さんのオススメで狙いはアジに決め、神奈川・金沢八景にある釣り船「荒川屋」の午前船に記者とカメラマンも乗り込んだ。ポイントまでは30分ほど。コマセカゴにイワシミンチを詰め、針にアカタン(赤く着色したイカの切り身)をつけて準備完了だ。
「タナは水深18メートル」
船長の合図でサビキ釣りがスタートすると、3分ほどで難なく1匹目をゲットし、針を外すと、海水を入れたバケツに放してこう言った。
「針を外すのに手間取ると、釣られた魚は暴れて疲労物質を筋肉にため込みます。素早く針を外したら海水中でアジを生かし、疲労物質を分解させるのです」
暴れて体を船体などにぶつけると、身割れやうっ血を起こす。それもおいしさを損ねる原因だという。

















