警察は“市街戦”でクマを制圧できるのか? ライフル銃使用が13日に解禁
「銃弾が心臓を貫いても、クマは100メートルほど走ります。そのため頭の急所を狙うのですが、的の範囲は直径10センチほど。高度な射撃技術と経験が求められます。いくら訓練を重ねていても、クマの動きはハンターでもなかなか予測できない。射撃と狩猟は全く違います。狩猟経験のある警察官は限られている」
「市街戦」ともなれば、住民の安全確保は絶対条件だ。これまでも流れ弾や跳弾による人身、物損事故が発生。駆除に伴う二次的な事故も懸念される。
「クマを貫通した弾丸が、アスファルトの地面で跳ね返ることも考えられます。この方向に撃てば軟らかい土などのバックストップがあるとか、状況に応じた一瞬の判断が必要になる。山林と違って市街地では、よりクマとの距離が短くなる。至近距離でクマを撃つにはスキルとメンタルが求められます。クマは時速60キロで走りますから、50メートルなんて一瞬です。もし急所を外したら2、3秒で襲いかかってきます」(前出のベテランハンター)
自民党の「クマ被害緊急対策プロジェクトチーム」の5日の会合に出席した大日本猟友会の佐々木洋平会長は、「知識も経験も少ない警察官が一定の研修や訓練を受けただけで、緊迫した現場で緊急銃猟ができるとは思えない」と指摘。熟練ハンターでも命懸けで立ち向かう危険な任務の成否は不透明だ。


















