ヒグマによる登山者襲撃事件が知床観光に与える多大な影響…問われる「自然との共存」の形
連日、国内各地でクマが出没している。
25日、山形県河北町の中心部で男子中学生がクマに追いかけられ、自転車と荷物を置いて走って逃げた。24日には、青森県弘前市で自宅にいた70代男性が猫に餌をやるため外に出たところ、クマに襲われ、ケガをして病院に搬送された。秋田県北秋田市ではランニング中の69歳の男性がクマと遭遇し、頭部あたりから血を流して倒れていた。
23日には、東京都奥多摩町の大丹波川で渓流釣りをしていた50代の男性がクマに顔をひっかかれた。都内では今年に入ってから奥多摩町や青梅市などで、クマの目撃情報が80件以上寄せられている。
クマの怖さがよく分かったのは今月14日、北海道・知床の羅臼岳で東京都の男性会社員(26)が子グマを2匹連れた母グマに襲われて死亡した一件だ。事故が起きたのは登山シーズン真っただ中だった。
事故前の10日には、男性を襲ったとみられる親子グマの姿が登山道付近で目撃された。12日には、特徴がよく似た母グマに遭遇した登山者がクマ撃退スプレーを噴射したが、約5分間、付きまとわれた。