父親が持ち帰ったパルテノン神殿の“破片”は…ギリシャ最古の神殿の“歴史的遺産”だった!

公開日: 更新日:

 1994年にガエターノさんが亡くなり、破片はエンリコさんが相続。自宅に飾り、訪問者に「これは父がパルテノン神殿から持ってきたもの」と自慢する習慣も引き継いだ。

 2022年、エンリコさんは、ラジオでギリシャが大英博物館からパルテノンの大理石を取り戻すために長い間、戦ってきたことを知った。大英博物館にあるパルテノンの大理石は、19世紀に略奪行為で持ち去られた可能性が高いという。

 自身が持っている破片もギリシャにとっては大切な“歴史的遺産”だと気がついたエンリコさんは、その破片をギリシャ大使館経由で返還。2023年にギリシャに到着した。

 その後、専門家の調査で驚くべき事実が判明した。破片は紀元前5世紀にアテナ女神を祭るために建てられたパルテノン神殿の一部ではなく、さらに時代をさかのぼったアクロポリス最古の記念碑的建造物である「ヘカトンペドン神殿」の一部だったのだ。

 ヘカトンペドン神殿は、紀元前570年頃に建設された長方形の神殿で、パルテノン建設前に破壊されたとされる。この破片は、神殿の水路や盆地の装飾部分だった。英アート専門誌「ジ・アート・ニュースペーパー」が先日、この破片の物語の詳細を報じたことをきっかけに、SNSなどで拡散し、改めて話題になっている。

  ◇  ◇  ◇

 歴史のロマンをもっと感じたいアナタは、下にある【関連記事】も要チェックだ。

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本ハムが新庄監督の権限剥奪 フロント主導に逆戻りで有原航平・西川遥輝の獲得にも沈黙中

  2. 2

    白鵬のつくづくトホホな短慮ぶり 相撲協会は本気で「宮城野部屋再興」を考えていた 

  3. 3

    DeNA三浦監督まさかの退団劇の舞台裏 フロントの現場介入にウンザリ、「よく5年も我慢」の声

  4. 4

    藤川阪神の日本シリーズ敗戦の内幕 「こんなチームでは勝てませんよ!」会議室で怒声が響いた

  5. 5

    佳子さま“ギリシャフィーバー”束の間「婚約内定近し」の噂…スクープ合戦の火ブタが切られた

  1. 6

    半世紀前のこの国で夢のような音楽が本当につくられていた

  2. 7

    生田絵梨花は中学校まで文京区の公立で学び、東京音大付属に進学 高3で乃木坂46を一時活動休止の背景

  3. 8

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  4. 9

    田原俊彦「姉妹は塾なし」…苦しい家計を母が支えて山梨県立甲府工業高校土木科を無事卒業

  5. 10

    プロスカウトも把握 高校球界で横行するサイン盗みの実情