父親が持ち帰ったパルテノン神殿の“破片”は…ギリシャ最古の神殿の“歴史的遺産”だった!
1994年にガエターノさんが亡くなり、破片はエンリコさんが相続。自宅に飾り、訪問者に「これは父がパルテノン神殿から持ってきたもの」と自慢する習慣も引き継いだ。
2022年、エンリコさんは、ラジオでギリシャが大英博物館からパルテノンの大理石を取り戻すために長い間、戦ってきたことを知った。大英博物館にあるパルテノンの大理石は、19世紀に略奪行為で持ち去られた可能性が高いという。
自身が持っている破片もギリシャにとっては大切な“歴史的遺産”だと気がついたエンリコさんは、その破片をギリシャ大使館経由で返還。2023年にギリシャに到着した。
その後、専門家の調査で驚くべき事実が判明した。破片は紀元前5世紀にアテナ女神を祭るために建てられたパルテノン神殿の一部ではなく、さらに時代をさかのぼったアクロポリス最古の記念碑的建造物である「ヘカトンペドン神殿」の一部だったのだ。
ヘカトンペドン神殿は、紀元前570年頃に建設された長方形の神殿で、パルテノン建設前に破壊されたとされる。この破片は、神殿の水路や盆地の装飾部分だった。英アート専門誌「ジ・アート・ニュースペーパー」が先日、この破片の物語の詳細を報じたことをきっかけに、SNSなどで拡散し、改めて話題になっている。
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