アイルランドの母子ホームが乳幼児800人を秘密埋葬…地下の浄化槽に多くの遺体が
アイルランドの母子ホームで約800人の乳幼児の遺体が秘密裏に埋葬されていたことが明らかになり、衝撃が走っている。
西部ゴールウェイ県チュアムにある「ボン・セクール母子ホーム」で、1925年から61年までカトリックの修道女会によって運営されていた。運営当時、アイルランドでは未婚女性の妊娠は重大な社会的タブーで、この施設は家族や社会から疎外された未婚の妊婦や、その子どもたちを受け入れていたという。
しかし同施設の環境は過酷で乳幼児死亡率が異常に高かった。地元の歴史研究家のキャサリン・コルレスさん(写真=ロイター)が調査したところ、施設が運営されていた36年間で、798人の子どもの死亡証明書が確認されたが、正式な埋葬記録はわずか2人分しか存在しなかった。
「残る796人は施設の敷地内に無許可で埋葬されたのではないか」
そう推論したコルレスさんは調査を続行。2017年の試験採掘で地下の浄化槽に多くの遺体が投棄されていたことが判明し、今年6月になってようやく本格的な発掘作業が始まった。
作業はアイルランドの認可介入局(ODAIT)が主導し、乳幼児の遺体を回収、鑑定する。身元が特定された場合は家族に返還され、特定できない場合は適切な宗教儀式のもとで埋葬される方針だ。