著者のコラム一覧
島田裕巳宗教学者、作家

1953年、東京都生まれ。東京大学文学部卒業。宗教学者、作家。現在、東京通信大学非常勤講師。「葬式は、要らない」「死に方の思想」「日本の新宗教」、「日本人にとって皇室とは何か」など著書多数。

5年に1度の皇室と旧宮家の交流の場「菊栄親睦会」は2014年から開催されず…関係性の変化と養子案の皮肉

公開日: 更新日:

 今それが開かれたとしたら、大いに注目されるであろう集まりがある。それが、「菊栄親睦会」の大会である。

 現在、国会では皇室典範の改正が議論となり、そのなかで、旧宮家の男子を養子にする案が実現されようとしている。旧宮家は、戦後の1947年10月に臣籍降下した家のことで、そうした家のメンバーと天皇や皇族が交流する場が菊栄親睦会である。

 旧宮家が臣籍降下するにあたっては、別れの晩餐会が開かれた。その際に、昭和天皇は、「従来の縁故というものは今後においても何等変るところはないのであって将来愈いよいよお互いに親しく御交際をいたしたいというのが私の念願であります」と語ったとされる。これは、『昭和天皇実録』にも記録されている。

 そこから、戦前にあった皇族親睦会を復活させる形で菊栄親睦会が生まれた。当初は、春と秋の2度、天皇や皇族と旧宮家の人々が会食する機会が設けられた。そして、皇室に婚姻などの慶事があった際には、大会が開かれた。

 この菊栄親睦会の存在が、今問題になっている旧宮家が皇室と近しい関係にあることの証拠ともされてきた。

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