(42)酷暑の午後の涼み酒
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いきなりグラス半分くらいがなくなってしまうが、まあ、いいさ。温い水を飲むくらいなら、オレは酒が飲みたいのだ。
開き直って店内を見渡すと、あった、あった、見慣れたイングリッド・バーグマンのポートレートである。『誰がために鐘は鳴る』を観たのはいつ、どこでだったか、はっきり覚えてないのだが、三鷹の名画座である「オスカー」あたりじゃなかったかと思う。そのときの感想は、きれいな人がいるもんだねえ、だった。原作者のヘミングウェイは、私の頭をよぎらなかった。英文科の学生であったのに……。
この日の2杯目、白州のハイボールは、イングリットに乾杯してから飲むことにした。渇きは、2杯目の途中あたりで落ち着いてきた。そして3杯目は、ウッドフォードリザーブのハイボール。今度は夏目雅子さんの写真に乾杯してから飲んだ。
ああ、うまい。すっかり汗は引き、渇きも癒えた。日米を代表する美人女優と酌み交わす銀座の午後の涼み酒。たまにはこういう午後があってもバチは当たるまい、と思うことにしている。


















