これは「多死社会を先取りした街」の姿だ! 「地域全体が老人ホーム」になったドヤ街「山谷」で、オヤジさんたちがカラオケを楽しむ居酒屋に突撃してみた
「どうせ死ぬんだからよぉ」
「イヤあ、大変だった!ヤクザに殺されるとこだった!」
突然、大きな声で70代くらいのオヤジさんが店に飛び込んできた。釣り用の帽子とベストを羽織っている。
「ここの傷を見ろよ!」
オヤジさんは帽子を取り、額の傷を一生懸命、80代の看板娘に見せている。二人は入口付近でゴニョゴニョ話すうちに、店の外へ出ていった。傷の真相は不明だ。
「どうせ死ぬんだからよぉ」
黒地に金色の刺繍が入ったジャージ姿のオヤジさんが一人でつぶやいている。この街の老後は、全く牧歌的ではないようである。
(中編につづく)

















