アントワークス早川秀人社長<1> 父が警官なのに補導歴8回
中学3年の後半くらいからは、暴走族の集会に顔を出すようになった。
「友達はみんなメンバーでしたが、父親が警官ということもあり、自分は一度も正式メンバーにはなっていません」
中学高校時代、補導歴は7、8回にのぼったという。
「警察で住所と名前を告げると、しばらくして取り調べの担当者から『おまえ、早川さんの息子かー!』と言われる。1回の例外を除いて、警察どまりで釈放されるのが通例でした」
その例外では、家裁に送致された。盗んだバイクを乗り回してパトカーに追われ、バイクを捨てて逃走。結局捕まってしまった。「いくら捕まっても悪さを繰り返す。業を煮やした父親が、処分を認めたのでしょう」と、早川氏は振り返る。
不良行為に明け暮れながらも、成績は良かったという早川氏。「英数国3教科の平均偏差値が、68ありました」。子ども時代の警察官志望は、この頃「検察官か弁護士になりたい」に変わっていた。「司法試験といえば中央大学。付属高校が近くにあったので、第1志望にしました」。その受験で早川氏は、一波乱起こすことになる。
(ジャーナリスト・五嶋正風)