人気の生クリームパン会社を子会社化 「ブラックモンブラン」の竹下製菓がパン業界進出のワケ
冷凍してもふわふわの食感は損なわず、“3秒に1個売れる”人気商品となった生クリームパン。今年1月、製造販売元の「清水屋食品」(岡山県岡山市)を完全子会社化したのが、九州の“ソウルアイス”「ブラックモンブラン」で知られる竹下製菓(佐賀県小城市)。
1959年創業の清水屋食品は、70年代にロバが荷台を引いてパンを売る“ロバのパン屋”として人気に。3代目が社長に就任した98年以降、経営難に陥ったこともあったが、10年に販売開始した「生クリームパン」が大ヒット。21年には年商10億円の県内有数のパンメーカーに。
一方、竹下製菓は20年10月、同業のスカイフーズ(埼玉県幸手市)を完全子会社化。結果として関東進出の足がかりとなったが、自然災害時などに備えて生産拠点の分散を目的とした、BCP(事業継続計画)を念頭に置いたものだった。
パン業界参入の理由を、竹下製菓5代目社長の竹下真由氏に聞いた。
「お母さんからバトンを引き継いだ3代目は創業者の娘さんで、3人のお子さんが入社もされていましたが、いいときばかりではない事業の大変さを実感されていたためか、後を継がないと決められていたようでした。事業継承先を探していたところ、縁あって引き継がせていただくことになりました」(竹下社長)