人形町今半 髙岡慎一郎社長(1)「舌を鍛えるため」子どもの頃から父親が一流レストランに
昨年10月、入国規制が撤廃された後「人形町今半」にはインバウンド(訪日外国人旅行客)が殺到している。筆者がインタビューのために平日昼、本店を訪れた時も、欧米人やアジア人が次々に来店し、混みあっていた。
人形町今半は「すき焼き」と「しゃぶしゃぶ」をメインにした割烹料理屋だ。昼は5000~7000円、夜は1万5000~2万5000円のコース料理を提供している。社長の髙岡慎一郎はこう言う。
「最近は法人などの接待費用も2万円を超すようになってきました。インバウンド消費も活発です。2万~2万5000円のコース料理が定着すれば、より高付加価値のコース料理を導入しようと考えています。客単価が上がり生産性が上がれば、社員の給料も上げられます」
「世界一のすき焼き屋」を自負する人形町今半のインバウンド人気は驚くほど高い。創業128年になるが、常に革新に努めているからだ。
人形町今半の元祖は1895(明治28)年、岡山県から上京した髙岡常太郎(当時63歳、伴太郎と改名)が東京・本所吾妻橋(現・墨田区吾妻橋)で創業した「牛鍋屋」である。