有森隆
著者のコラム一覧
有森隆経済ジャーナリスト

早稲田大学文学部卒。30年間全国紙で経済記者を務めた。経済・産業界での豊富な人脈を生かし、経済事件などをテーマに精力的な取材・執筆活動を続けている。著書は「企業舎弟闇の抗争」(講談社+α文庫)、「ネットバブル」「日本企業モラルハザード史」(以上、文春新書)、「住友銀行暗黒史」「日産独裁経営と権力抗争の末路」(以上、さくら舎)、「プロ経営者の時代」(千倉書房)など多数。

近鉄百貨店(下)「外商」は店売りのオマケだった…窮余の一策が収益の柱に育つ

公開日: 更新日:

 大都市の百貨店は、かつては中国人観光客による爆買いで潤った。だがコロナ禍でインバウンド(訪日外国人)消費は蒸発、百貨店は赤字経営に転落した。

 各社はインバウンド消費への依存から脱却すべく、EC(電子商取引)へシフトしたが、期待外れに終わる。

 そこで、伝統的なビジネスモデルである外商の強化に乗り出した。当初は、窮余の一策だった。

 三越伊勢丹ホールディングスが個人向けの外商に本腰を入れたことが、業界の話題になった。2022年4月、外商組織を再編し、外商統括部を新設した。

 個人外商と法人外商、伊勢丹新宿本店と三越日本橋本店などに分かれていた組織を統合。それぞれの品揃えを掛け合わせて、商品提案力の幅を広げた。顧客から吸い上げた好みやニーズなどをデータ化し、共有することで、外商部の個人の人脈に頼っていたビジネスをやめて、チームでセールスに当たる体制を構築した。

 三越伊勢丹の22年3月期の個人外商売上高は790億円。コロナ以前の20年3月期(716億円)と比較して2ケタの増加となった。外商売上高790億円は22年全国百貨店店舗別売上高ランキング(日経流通新聞22年8月24日付)によると、そごう・西武の巨艦店、そごう横浜店(949億円)に次ぐ10位の規模だ。23年3月期は9%増の860億円を見込んでいる。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    元キスマイ、元V6メンバーが相次いで告発…現役グループの“性加害被害”にジャニオタ悲鳴

    元キスマイ、元V6メンバーが相次いで告発…現役グループの“性加害被害”にジャニオタ悲鳴

  2. 2
    ジャニー氏の庇護を受けてきた東山紀之の“裏の顔” 超人気女優との"同棲"も事務所パワーで握り潰す

    ジャニー氏の庇護を受けてきた東山紀之の“裏の顔” 超人気女優との"同棲"も事務所パワーで握り潰す

  3. 3
    元シブがき隊・本木雅弘はなぜ潰されなかった? 奥山和由氏が明かしたメリー氏の「圧力」

    元シブがき隊・本木雅弘はなぜ潰されなかった? 奥山和由氏が明かしたメリー氏の「圧力」

  4. 4
    吉本興業前会長・大﨑洋氏が開催危ぶまれる大阪万博について激白…プロジェクトチーム“自腹運営”の苦境

    吉本興業前会長・大﨑洋氏が開催危ぶまれる大阪万博について激白…プロジェクトチーム“自腹運営”の苦境

  5. 5
    東山紀之新社長の二面性、TVマンが見た“ウラ”の顔は「番組降板時にCPを睨みつけ、無言で楽屋に…」

    東山紀之新社長の二面性、TVマンが見た“ウラ”の顔は「番組降板時にCPを睨みつけ、無言で楽屋に…」

  1. 6
    U18台湾エース孫易磊を日本ハム獲得! メジャー、巨人、ソフトBとの争奪戦を制したワケ

    U18台湾エース孫易磊を日本ハム獲得! メジャー、巨人、ソフトBとの争奪戦を制したワケ

  2. 7
    マッチがジャニーズ性加害問題“暴露”予告…“薄っぺらい退所”批判の東山紀之に特大ブーメランか

    マッチがジャニーズ性加害問題“暴露”予告…“薄っぺらい退所”批判の東山紀之に特大ブーメランか

  3. 8
    勝みなみ、西村優菜、渋野日向子…帰国中の女子海外組「シード当落線上」プロの胸中

    勝みなみ、西村優菜、渋野日向子…帰国中の女子海外組「シード当落線上」プロの胸中

  4. 9
    大野智が描いたのか? インスタ投稿の“ダークな抽象画”に「香取慎吾のと一緒!」の声が噴出

    大野智が描いたのか? インスタ投稿の“ダークな抽象画”に「香取慎吾のと一緒!」の声が噴出

  5. 10
    ジャニー喜多川氏の性加害を暴いた“禁断の書”の中身…超人気アイドルが「ジャニーさんが、ジャニーさんが…」

    ジャニー喜多川氏の性加害を暴いた“禁断の書”の中身…超人気アイドルが「ジャニーさんが、ジャニーさんが…」