世界規模で水害が恒常化…「気象ビジネス」の重要度はますます増している
大型の台風2号が日本列島を襲いました。ここ数年、気候変動の影響か、水害は恒常化しています。
自然災害は世界を見回しても増加傾向にあります。国連防災機関(UNDRR)によると、2000年から19年に起きた大規模自然災害は7348件に達しています。死者数は123万人、損害額は2兆9700億ドル(約401兆円、1ドル=135円換算)。1980年から99年の20年間に比べ、件数は74%、死者数は3%、損害額は82%増えています。
国内も増加傾向です。国土交通省の調査では2021年の水害額(暫定値)は約3700億円で、5年間(17~21年)の平均被害額は1兆320億円。初の1兆円台で、その前の5年間(12~16年)の約2.7倍です。
特に21年は河川の氾濫や土砂災害により浸水・倒壊・流失などの被害を受けた建物は約1万5000棟にのぼりました。
■50年間で経済損失は約581兆円
世界気象機関(WMO)の報告書では、21年までの50年間に世界で発生した気象災害で200万人以上が死亡しています。経済損失は4兆3000億ドル(約581兆円)に達します。