著者のコラム一覧
重道武司経済ジャーナリスト

1957年鳥取県倉吉市生まれ。84年フジサンケイグループ傘下の経済紙「日本工業新聞」(現フジサンケイビジネスアイ)の記者となり、千葉支局を振出しに鉄鋼、自動車、総合電機、財界、金融、エネルギー(電力・石油・ガス)などの業界を担当。2000年外資系通信社に転じた後、02年からフリーに。得意分野は通信社時代を含めて在籍足掛け7年にも及んだ日銀記者クラブ時代に人脈を培った金融。自動車業界にも強い。

東京メトロが株式上場へ 時価総額は1兆円規模の可能性も…実は成長戦略が見えてこない

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 もっとも中長期の利益成長シナリオが定まっているわけではない。定期券収入はコロナ禍前の8割までしか戻り切っておらず、テレワークの定着化でこうした傾向は今後も続く見通しだ。

 有楽町線の延伸や品川周辺の新駅・新線建設など輸送人員増につながる計画はあるものの、過去の試算では「黒字化するまでに20年近く、建設費など累損を解消にするまでには40年かかる」ともいわれている。

 地上の保有不動産物件は手薄で、東急や西武ホールディングスなど大手私鉄のように大型商業施設やホテル、オフィスビル開発など「非鉄道事業」で稼ぐ手段も限られる。ナイトアクティビティー需要を取り込む形で終夜運転を実施する手もあるが、運賃改定を伴わなければ保線コストがかさむだけだ。

 となると残された道は再編やM&Aか。東京都とすれば、23年3月末で2151億円の累積損失を抱え、長期債務が5860億円に膨らんでいる都営地下鉄でも引き取ってもらいたいところだろう。

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