著者のコラム一覧
重道武司経済ジャーナリスト

1957年鳥取県倉吉市生まれ。84年フジサンケイグループ傘下の経済紙「日本工業新聞」(現フジサンケイビジネスアイ)の記者となり、千葉支局を振出しに鉄鋼、自動車、総合電機、財界、金融、エネルギー(電力・石油・ガス)などの業界を担当。2000年外資系通信社に転じた後、02年からフリーに。得意分野は通信社時代を含めて在籍足掛け7年にも及んだ日銀記者クラブ時代に人脈を培った金融。自動車業界にも強い。

小林製薬「紅麹」サプリ健康被害で思い出す…もうひとつの“コバヤシ”との不吉な符合

公開日: 更新日:

 そうなると気がかりなのは小林製薬の経営基盤だろう。被害者や原料供給先などに対する多額の補償金支払い負担が発生。損失がかさんで屋台骨が揺らぎかねないからだ。第1のコバヤシは信用失墜で業績が急降下。最終的に後発薬大手のサワイグループホールディングスが全工場と従業員を引き継ぐ形で22年3月、実質破綻処理されている。

■ニッチトップのロングセラーで盤石

 もっとも第2のコバヤシは今のところ経営危機にまで陥る可能性は低そうだ。何しろ23年末で自己資本比率は76.41%。自己資本額は2000億円を超える。単純計算では「500億円規模の最終赤字を4年続けても債務超過転落を免れる水準」(金融筋)だ。

 おまけに無借金経営のうえ手持ち現預金は700億円を上回る。「ブルーレット」や「アンメルツ」「熱さまシート」などニッチトップのロングセラー商品を数多く持ち、競合相手も少ない。市場関係者の間では「事態の早期収束さえ図れれば深手は回避できる」との見方が有力だ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 2

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  3. 3

    FNS歌謡祭“アイドルフェス化”の是非…FRUITS ZIPPER、CANDY TUNE登場も「特別感」はナゼなくなった?

  4. 4

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  5. 5

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋

  1. 6

    兵庫県・斎藤元彦知事らを待ち受ける検察審の壁…嫌疑不十分で不起訴も「一件落着」にはまだ早い

  2. 7

    カズレーザーは埼玉県立熊谷高校、二階堂ふみは都立八潮高校からそれぞれ同志社と慶応に進学

  3. 8

    日本の刑事裁判では被告人の尊厳が守られていない

  4. 9

    1試合で「勝利」と「セーブ」を同時達成 プロ野球でたった1度きり、永遠に破られない怪記録

  5. 10

    加速する「黒字リストラ」…早期・希望退職6年ぶり高水準、人手不足でも関係なし