著者のコラム一覧
小林佳樹金融ジャーナリスト

銀行・証券・保険業界などの金融界を40年近く取材するベテラン記者。政界・官界・民間企業のトライアングルを取材の基盤にしている。神出鬼没が身上で、親密な政治家からは「服部半蔵」と呼ばれている。本人はアカデミックな「マクロ経済」を論じたいのだが、周囲から期待されているのはディープな「裏話」であることに悩んで40年が経過してしまった。アナリスト崩れである。

大正製薬がMBOで非上場化へ…舞台裏では取引金融機関の激しい“つばぜり合い”が

公開日: 更新日:

 大正製薬ホールディングス(上原明社長)が東京都内で18日開催した臨時株主総会で、株式非公開化に向けた株式併合などの議案を可決した。東証スタンダード市場の上場は4月9日に廃止となる。

 大正製薬HDは、オーナー家の上原茂副社長が代表を務める大手門(東京・豊島区)がMBO(経営陣が参加する買収)の一環として実施したTOB(株式公開買い付け)が1月に成立しており、株主総会での承認を受けて大正製薬HDの残り全株式を取得する手続きを進めることになる。

 非上場化に合わせて大正製薬HDは上原茂氏が社長に昇格する予定だ。主力の一般用医薬品(大衆薬)が伸び悩むなか、非上場化でネット販売や海外展開を強化するとしている。

 だが、このMBO、非上場化の舞台裏では、取引金融機関の激しいつばぜり合いがあったことは知られていない。「大正製薬のMBOは過去最大の約7000億円のディール。その巨額な買収資金をどこの銀行が融資するかが焦点だった」(メガバンク幹部)というのだ。

■三井住友銀行の「法皇」堀田庄三氏との血脈

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • トピックスのアクセスランキング

  1. 1

    日米関税引き下げは「合意文書なし」の口約束…チラつくトランプ大統領の“ちゃぶ台返し”

  2. 2

    トランプ大統領が熱烈支持層と対立のナゼ? エプスタイン事件めぐりMAGA派を「愚かな人々」呼ばわり

  3. 3

    リゾート開発計画に揺れる野沢温泉村の村長に聞いた「ニセコでも白馬でもない独自文化の根付く唯一無二の村をつくる」

  4. 4

    新型ダイハツ ムーヴに初試乗! スライドドア化は是か非か? 王者ホンダN-BOXと比べてみた

  5. 5

    「エムット」の商標巡り“ニアミス”騒動も…三菱UFJ銀はポイント還元率最大20%ブチ上げ預金獲得強化へ

  1. 6

    元安倍派・豊田真由子氏が「羽鳥慎一モーニングショー」で暴露!“パー券販売”の驚愕実態にSNS震撼

  2. 7

    賃上げ、人手不足、トランプ関税の“トリプルパンチ”で倒産ラッシュが加速…年間1万件突破も視野に

  3. 8

    外国人の「日本ブーム」は一巡と専門家 インバウンド需要に陰り…数々のデータではっきり

  4. 9

    「8月の円高・株安」と「9月の米国株下落」…2つのアノマリーは本当なのか

  5. 10

    米中がしのぎを削る最先端分野の開発競争…日本はカヤの外か?

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本中学生新聞が見た参院選 「参政党は『ネオナチ政党』。取材拒否されたけど注視していきます」

  2. 2

    松下洸平結婚で「母の異変」の報告続出!「大号泣」に「家事をする気力消失」まで

  3. 3

    松下洸平“電撃婚”にファンから「きっとお相手はプロ彼女」の怨嗟…西島秀俊の結婚時にも多用されたワード

  4. 4

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  5. 5

    俺が監督になったら茶髪とヒゲを「禁止」したい根拠…立浪和義のやり方には思うところもある

  1. 6

    (1)広報と報道の違いがわからない人たち…民主主義の大原則を脅かす「記者排除」3年前にも

  2. 7

    自民両院議員懇談会で「石破おろし」が不発だったこれだけの理由…目立った空席、“主導側”は発言せず欠席者も

  3. 8

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃

  4. 9

    自民党「石破おろし」の裏で暗躍する重鎮たち…両院議員懇談会は大荒れ必至、党内には冷ややかな声も

  5. 10

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」