著者のコラム一覧
重道武司経済ジャーナリスト

1957年鳥取県倉吉市生まれ。84年フジサンケイグループ傘下の経済紙「日本工業新聞」(現フジサンケイビジネスアイ)の記者となり、千葉支局を振出しに鉄鋼、自動車、総合電機、財界、金融、エネルギー(電力・石油・ガス)などの業界を担当。2000年外資系通信社に転じた後、02年からフリーに。得意分野は通信社時代を含めて在籍足掛け7年にも及んだ日銀記者クラブ時代に人脈を培った金融。自動車業界にも強い。

小林製薬「紅麹」サプリ健康被害で思い出す…もうひとつの“コバヤシ”との不吉な符合

公開日: 更新日:

 コバヤシ──。メディアなどを通じてその名前が報じられると「省内の空気が一瞬凍りついた」という。厚生労働省幹部のひとりが打ち明ける。

 2020年、当時オリックス傘下だった中堅後発薬メーカー「小林」化工(福井県あわら市)が引き起こした“薬害”事件が想起されたためだ。抗真菌薬の中に睡眠導入剤の成分が混入し死者2人、200人以上が意識消失などの健康被害に見舞われたもので、これをきっかけに後発薬メーカーの品質不正や未承認手順による製造などの不祥事が相次いで発覚。業務停止命令など行政処分続出で結果的に後発薬の供給目詰まりを招き、その混乱は今なお続く。

 そこに「新たなコバヤシ」の登場である。「小林化工も創業時の社名は『小林製薬所』。その符合に何か不吉な影を感じる」。こう呟いて青ざめる当局筋も少なくない。

 実際、小林製薬の紅麹原料を含む機能性表示食品を摂取して死亡したとみられる被害者は先月末までの時点で5人。すでに第1のコバヤシを上回った。入院した人は157人にのぼり、786人が通院や医療機関の受診を求めているという。被害の原因と目される製品が「医薬品」ではなく「食品」とあってその規模は今後、さらに広がっていく可能性も高い。

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