麻生太郎氏に「10月政界引退説」 派閥の「裏金疑惑」拡大で窮地…気づけば孤立無援

公開日: 更新日:

 麻生派の「裏金疑惑」が拡大している。麻生派に所属していた閣僚経験者も、「後になって違法だったと言われても困る」──と、麻生派が裏金づくりをしていた事実を認めはじめた。ただでさえ麻生派は、総裁選で「勝ち馬」に乗るのが難しく、窮地に陥っている状況だ。派閥領袖・麻生太郎副総裁の「政界引退説」まで浮上している。

 麻生派の「裏金疑惑」は、2日付の毎日新聞がスクープ。麻生派に所属していた薗浦健太郎元衆院議員の秘書が、東京地検の調べに対し、麻生派の「政治資金パーティー」(2017年)の収入から分配された380万円を「裏金」にしていた事実を認める供述をしていたと報じた。

 さらに、3日は、麻生派に所属していた閣僚経験者が、毎日新聞の取材に対し、「(収支報告書への)不記載が違法だと思っていた所属議員は誰もいなかった」「後になって違法だと言われても困る」と、麻生派が裏金づくりをしていたことを認める証言をしている。

 麻生派は17年まで、安倍派と同じようにパーティーを利用して「裏金」をつくっていた可能性がある。

 麻生派は「裏金とは無関係だ」と主張し、唯一、派閥を存続させてきただけに、追及されるのは必至だ。

 すでに野党は、閉会中審査の開催を要求。総裁選の候補者も「関係者の説明がしっかりなされることが大事だ」(小泉進次郎元環境相)、「裏金はないとおっしゃっておられたので、報道が事実であれば、考え方を述べられる機会はあろうかと思っている」(石破茂元幹事長)と、説明責任を求めている。

 派閥領袖の麻生氏は、いまのところダンマリだが、事態の急展開に焦っているのは間違いない。派閥の裏金疑惑は、麻生派の解散と、麻生氏失墜の引き金になっておかしくないからだ。

「麻生さんの強みは、麻生派54人を束ねていることでした。ところが、総裁選をキッカケに派閥は3つに割れてしまった。河野支持派、コバホーク支持派、上川支持派の3分裂です。しかも、菅義偉前首相との『キングメーカー争い』にも敗北しそうです。新総裁は、菅さんが担いだ小泉進次郎か、菅さんと近い石破茂のどちらかでしょう。麻生さんは新体制では“非主流派”に転落する可能性が高い。裏金疑惑は、弱り目に祟り目でしょう」(自民党事情通)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    やはり進次郎氏は「防衛相」不適格…レーダー照射めぐる中国との反論合戦に「プロ意識欠如」と識者バッサリ

  2. 2

    長嶋茂雄引退の丸1年後、「日本一有名な10文字」が湘南で誕生した

  3. 3

    契約最終年の阿部巨人に大重圧…至上命令のV奪回は「ミスターのために」、松井秀喜監督誕生が既成事実化

  4. 4

    これぞ維新クオリティー!「定数削減法案」絶望的で党は“錯乱状態”…チンピラ度も増し増し

  5. 5

    ドジャースが村上宗隆獲得へ前のめりか? 大谷翔平が「日本人選手が増えるかも」と意味深発言

  1. 6

    「日中戦争」5割弱が賛成 共同通信世論調査に心底、仰天…タガが外れた国の命運

  2. 7

    レーダー照射問題で中国メディアが公開した音声データ「事前に海自に訓練通知」に広がる波紋

  3. 8

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  4. 9

    松岡昌宏も日テレに"反撃"…すでに元TOKIO不在の『ザ!鉄腕!DASH!!』がそれでも番組を打ち切れなかった事情

  5. 10

    巨人が現役ドラフトで獲得「剛腕左腕」松浦慶斗の強みと弱み…他球団編成担当は「魔改造次第」