「建築界のノーベル賞」受賞の権威が大阪万博をバッサリ!“350億円リング”「犯罪だと思う」

公開日: 更新日:

「これを『成功』させてはマズイ」──。来年4月開幕の大阪・関西万博について、そう危機感をあらわにしたのは建築家の山本理顕氏(79)。今年3月、「建築界のノーベル賞」といわれるプリツカー賞を受賞した建築界の世界的権威だ。

 山本氏は20日、都内で開かれた〈緊急シンポジウム 大阪・関西万博の迷走と建築家の退廃〉にパネリストとして出席。350億円もの巨額の予算を投じて整備中の大屋根(リング)や不透明な意思決定プロセスなどについて、建築エコノミストの森山高至氏と建築家の山口隆氏を交えた講演・議論は約4時間に及んだ。

■「維新の会はあまりに未熟」

 圧巻だったのが、山本氏の歯に衣着せぬ物言いだ。〈独裁政権による大阪・関西万博〉と題した基調講演で、万博推進の中心にいる「維新の会」を「政治集団としてはあまりにも未熟」「未熟というのも、『権力者が何をすべきか』を分かっているとは思えないから」とバッサリ。万博会場のデザインプロデューサーを務める藤本壮介氏を名指しして、こう続けた。

「大阪府は完全に(維新による)独裁政権で、そこで決まったことは全て実現するような状態になっている。この時、プロデューサーは『こうしたらいいんじゃないですか』ということを本来ならできるはず。しかし、藤本氏はその役割を完全に放棄しています」

 山本氏に言わせれば、建築家とは「政治権力と住民との調停役」。万博開催の主体である大阪府・市と住民との間を専門家としてつなぐはずのプロデューサーが職務放棄していると訴え、「誰が責任者なのか分からないのが最大の問題」と一刀両断にした。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?

  2. 2

    国分太一が社長「TOKIO-BA」に和牛巨額詐欺事件の跡地疑惑…東京ドーム2個分で廃墟化危機

  3. 3

    仰天! 参院選兵庫選挙区の国民民主党候補は、県知事選で「斎藤元彦陣営ボランティア」だった

  4. 4

    ドジャース佐々木朗希 球団内で「不純物認定」は時間の問題?

  5. 5

    ドジャース大谷翔平に「不正賭博騒動」飛び火の懸念…イッペイ事件から1年、米球界に再び衝撃走る

  1. 6

    遠野なぎこさんか? 都内マンションで遺体見つかる 腐乱激しく身元確認のためDNA鑑定へ

  2. 7

    京成電鉄にのしかかるオリエンタルランド株の重荷…物言う株主の揺さぶりには抵抗も厳しい“お家事情”

  3. 8

    近年の夏は地獄…ベテランプロキャディーが教える“酷暑ゴルフ”の完全対策

  4. 9

    今度は井ノ原快彦にジュニアへの“パワハラ疑惑”報道…旧ジャニタレが拭い切れないハラスメントイメージ

  5. 10

    小泉進次郎農相がSNSで難クセ連発の理由…JA会長を名指しで晒し上げ連日大炎上